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ほぼ規制なし? 米警察が犯罪捜査に使う「アマゾンの顔認識技術」の危険性

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ほぼ規制なし? 米警察が犯罪捜査に使う「アマゾンの顔認識技術」の危険性

最新技術が法制度を追い越す

さらにアメリカ自由人権協会が公表した文書により、フロリダ州オーランド市がアマゾンと共同で、監視カメラ8台を使って即時に「特定の人物」を検出するシステムを開発したことが明らかになった。「このシステムの利用について正式なガイドラインは存在するか」との質問に対し、「これは試験的なプログラムであるため、正式に定められていない」と市の広報担当者は答えた。

「技術が法制度を追い越してしまう、まさに典型的な例ですね」と、デジタル社会における言論の権利の保護を目的とした非営利団体・電子フロンティア財団のシニアスタッフであるジェニファー・リンチは言う。「ルールがまったく存在しないのです」

顔認識技術の利用を管理する法律や規制が定められていない現状において、販売を行っているのはアマゾンだけではない。マサチューセッツ州を拠点とするモーフォトラスト(MorphoTrust)は、FBIに顔認識技術を提供し、警察にも販売している。デトロイト警察は同様の技術を、サウスカロライナ州のデータ・ワークス・プラス(Data Works Plus)から購入し、暴力犯罪者をガソリンスタンドのヴィデオ映像から探すプロジェクトに利用していた。

今回公表された文書には、オーランド市とオレゴン州ワシントン郡の保安官事務所が「アマゾンの顔認識技術をどのように利用しているか」が、詳しく書かれている。どちらも以前、顔認識技術に携わるアマゾンのクラウド部門の技術の高さを賞賛していた。

この文書から、オーランド市はプロジェクトを遂行するために、アマゾンから無料で助言を得ていたことがわかる。オーランド警察署長のジョン・ミーナは、「顔認識技術によって公共の安全性が高まり、捜査効率が上がるのを期待できる」と語っていた。

しかし市の広報担当者は『WIRED』US版に対し、「まだ導入して間もないためデータが十分ではなく、効果の判断が難しい」と語っている。現在のところ顔認識技術の利用は、捜査や一般市民の映像を対象にはしていない。

オレゴン州ワシントン郡ではアマゾンの技術を利用し、捜査員がデスクトップコンピューターか専用のモバイルアプリで30万人分の顔写真データを照合できる。アメリカ自由人権協会が入手した書類によると、アマゾンのクラウド上に顔写真を保存する危険性について、同郡の雇用者からも懸念の声が上がっている。このプロジェクトは「政府がビッグデータと結託した結果だとみている」と記されていた。

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