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ハチにQRコードをつけたら「コロニーの神秘」が明らかに

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ハチにQRコードをつけたら「コロニーの神秘」が明らかに

食料係を狙った捕食者からコロニーが襲撃された際、内部で起きているマルハナバチの複雑な動態をBEEtagシステムで解明できるなら、ヒトの脅威にさらされるコロニーで何が起きるかもデータ化できるかもしれない。「いま、わたしたちが取り組んでいるのは、昆虫の神経に作用する殺虫剤をハチに投与して、巣内の行動がかく乱されるかどうかを検証することです」と、クロールは言う。

研究者は通常、薬剤の影響を評価する際に、半数致死量という指標を利用する。「Lethal Dose(致死量), 50%」を略して「LD50」と呼ばれることもあるこの指標は、投与された集団の50パーセントが死ぬ量を意味する。しかし、この指標ではコロニーの複雑な社会構造は考慮されない。

「社会的な側面に注目するのはきわめて重要です」と語るのは、ブリストル大学の生物学者で、自身もBEEtagを使った研究を行うサム・ダッカリンだ。「マルハナバチの場合、致死量はミツバチと同じでも、個々のハチの死がコロニー全体に与える影響ははるかに大きいはずです」。ミツバチのコロニーは数万匹にのぼるが、マルハナバチでは普通200匹程度であり、どの1匹が欠けても大きな損失なのだ。

いまのところ、ハチを冷やしてタグをつける作業が多少面倒だという問題はある。だが遠からず、規制当局が殺虫剤の使用を認可する際には、BEEtagを利用した評価試験が必須になるかもしれない。「理想としては、いずれこの種の装置を比較的容易に大量のサンプルに適用できるようになることです。あらゆる化学物質の評価試験で使用されることが望ましいでしょう」とダッカリンは言う。

QRコードは商品を売り込むために使われるイメージがあるかもしれないが、ようやくそれに留まらない有益な使い道ができたのだ。

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