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子どもの成長にヴァーチャルアシスタントは悪影響?  利便性と知られざる「課題」

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子どもの成長にヴァーチャルアシスタントは悪影響?  利便性と知られざる「課題」

ヴァーチャルアシスタントとは議論ができない

なるほど、その通りだ。しかし、「Google Duplex[日本語版記事]」の場合はどうだろう?

これはグーグルが新たに開発した、人間そっくりの声で電話をかけてくる人工知能(AI)だ。確かに問題は複雑になるとキャッセルはいう。人間の声か機械の声か区別できないなら、相手は人間と想定すべきだろう。人の気持ちを傷つけてはいけないからだ。

しかし真の問題は礼儀ではなく開示である。AIは自らがAIだと明らかにするよう設計されるべきだ。

さらに、子どもがAIと接するうちに出てくる影響は、相手が人間ではないと認識できるかどうかを超えて、はるかに深刻なものになるかもしれない。

「その種のデヴァイスが子どもの行儀の悪さを助長するのではないかと親が心配するのは当然でしょう。ヴァーチャルアシスタントをからかうようになったり、生意気な言葉を使うようになったりするかもしれません」と、ミシガン大学の発達行動学を専門とする小児科医、ジェニー・ラデスキーは言う。

彼女は米国小児科学会の出したメディア向けガイドライン最新版の共著者でもある。「しかし、子どもの認知発達のような面にかかわる問題のほうが大きいとわたしは思っています。つまり、情報を消化し、そこから知識をつくっていく力にかかわる問題です」

例えばヴァーチャルアシスタントと接することが、実際には子どもの学習のためには役立っていないかもしれないと考えてみよう。

ここに挙げた「Echo Dot Kids Editon」の広告映像では、最後に女の子がアンドロメダ星雲までどのくらいの距離があるのかスマートスピーカーに尋ねる。カメラが引いていくと同時に、Alexaがスラスラと答える声が聞こえてくる。「アンドロメダ星雲までの距離は253万7,000光年です」

親には、これが素晴らしい未来に思えるかもしれない。Alexaは大人の知らない質問にも答えてくれる! しかし、ほとんどの子どもは、単に情報を受けるだけで学習するものではない。「子どもは挑まれて学ぶのです。親やほかの子、先生に問いかけられ、そこから賛成したり、反対したりしながら議論を発展させます」

ヴァーチャルアシスタントには、まだそういうことができない。そこで子どもと一緒にスマートデヴァイスを使う親の重要性が浮き彫りになってくる。少なくとも当面、その状況は変わらないだろう。

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