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「地球に似た惑星」は実は存在しないかもしれない

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「地球に似た惑星」は実は存在しないかもしれない

しかも、これはケプラー452bに限った議論ではない。天文学者が間違いを犯す可能性のある領域について、深く検証しようというのが論文の趣旨だ。したがって論文タイトルも、『Kepler’s Earth-like Planets Should Not Be Confirmed Without Independent Detection』(ケプラーの地球型惑星は、個別の検出がなければ、確認されたものとはいえない)と訴えるものになっている。

崩れゆく大前提の影響

しかし、彼らの主張にはいくつか反論も出ている。例えば、ケプラー452bによる光の変化は、ケプラーの最も信頼性の高い検出器がとらえたものである、といった反論だ。

いずれにしろ天文学者たちは、そろそろこの問題をはっきりさせなくてはならない。そこで、特定の地球型惑星に望遠鏡を向け、直接その姿を観測する計画が進んでいる。しかし、そうした惑星の一部が、そもそも初めから存在しなかったとしたらどうなるのだろうか。

これまでの統計データも、今後の観測機器に影響を及ぼす。観測するにしても、まずは地球型惑星が全体として、どの程度ありふれた天体であるのかを知りたいところだ。だがこれについては、ケプラーがもたらす推定値を基に次世代の望遠鏡が設計されることになる。

地球型惑星が多数存在すると推定される場合、「さほど大きな観測機器は必要ありません」とバークは述べる。その場合、コストを抑えることが可能だ。しかし、ケプラーの推定値が多くの誤検出を含んでいて、実際には考えられているほど地球型惑星が存在しなかった場合、小さな望遠鏡では用をなさないだろう。

新たな衛星がもたらす「いいニュース」

しかし、いいニュースがある。4月18日(米国時間)に打ち上げられた[日本語版記事]「TESS(トランジット系外惑星探索衛星)」によって、惑星の確認がより容易になる。TESSは地球に近い明るい恒星の周りにある惑星を探索するので、その結果を地上の望遠鏡を使って容易に確認できるのだ。地上の望遠鏡は、宇宙望遠鏡ほど観測精度は高くないが、TESSが主なターゲットとするような惑星であれば問題なく観測できる。

今回の論文に対する天文学界の反応は、おおむね好意的だ。惑星宇宙生物学者であるアベル・メンデスは、「わたしは惑星が確認されては否定され、また復活するのを見てきました」と述べる。

生命居住可能領域(ハビタブルゾーン)内にある小さな惑星は、特にこの評価が揺れ動きやすい。「これは通常の科学的プロセスの一環です」とメンデスは言う。同氏は、「Habitable Exoplanets Catalog」(HEC:居住可能性をもつ太陽系外惑星一覧)を管理するプエルトリコ大学アレシボ校惑星居住可能性研究所の所長を務めている。

ケプラー452bが本物の惑星であるかどうかに関しては、まだイエスともノーとも、決定的な答えは出ていない。さしあたって、惑星の一覧から除外されることはないだろう。

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