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北極圏の氷の下にある「軍事基地の廃墟」から汚染物質が流れ出す 気候変動がもたらす環境破壊の行方

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北極圏の氷の下にある「軍事基地の廃墟」から汚染物質が流れ出す 気候変動がもたらす環境破壊の行方

 グリーンランドの分厚い氷の下に、いまから60年近く前の冷戦時代につくられた米国の軍事基地が放棄されたままになっている。氷によって永遠に封印されるはずだった“秘密”の基地は、気候変動によって氷が溶け、有害物質が漏れ出すという「環境破壊ドミノ」の原因になろうとしている。その汚染の脅威と、解決する気配がない政治的な駆け引きの裏側をレポートする。

PHOTO: PICTORIAL PARADE/GETTY IMAGES PHOTO: PICTORIAL PARADE/GETTY IMAGES

 ※本記事はAtlas Obscuraに掲載されたもので、Climate Deskとのコラボレーションの一部です。

キャンプ・センチュリーの建設は、そもそも無謀な計画だった。米軍は北極から800マイル(約1,300km)しか離れていないグリーンランドの分厚い氷の下に、トンネルを掘って基地を築いた。内部に全長2,500マイル(約4,000km)にも及ぶ鉄道網を敷き、600発の核ミサイルを氷の下に配備しようとしていたのだ。

基地の建設は1959年に始まった。表向きは科学的な調査プロジェクト用の施設だったが、氷床の下にはすぐに、小型原子炉を動力とする軍事基地が置かれた。

冷戦の真っただなかにあった当時、米国はグリーンランドを戦略的要衝ととらえていた。ソ連を狙うミサイルの発射基地になり得るということだ。分厚い氷が永久に基地を守ってくれると踏んで、軍事計画を立てたのだろう。

しかし、最初のトンネルを掘った時点で、米軍は思わぬ事態に直面した。想定していたよりも氷床が流動的だったのだ。氷が移動してトンネルが安定せず、10年も経たずに、キャンプ・センチュリーは放棄された。

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