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飛行機で病気に感染したくなければ「通路側の席」は避けるべし その理由を専門家が生物学的に解明

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飛行機で病気に感染したくなければ「通路側の席」は避けるべし その理由を専門家が生物学的に解明

平均すると、「飛行機1便につき、感染する乗客は0.7人ということになる」と、研究チームは書いている。このモデルでは乗務員が感染源の場合、乗客と接する時間がはるかに増えるため、平均4.6人の乗客が感染すると予測している。

乗降時やゲート、税関にも潜む危険

では、なぜ過去の事例研究では、2列以内の範囲を超えた感染が報告されたのだろうか。理由として考えられるのは、飛行中に感染した以外の事例が含まれていたことだ。フロリダ州エンブリー・リドル航空大学の航空宇宙エンジニアで、活性粒子のコンピューターモデル化を専門とするシリーシュ・ナミラエはこう説明する。

「旅行者が動いて触れ合う方法はいくらでも考えられます。飛行中の機内での接触は、そのうちのひとつに過ぎません。飛行機に乗るときや降りるとき、搭乗ゲートで待っている間や税関を抜けるときでも、感染する可能性はあります」

ナミラエは、配置や搭乗方法によって疾病の伝播にどのような違いが出るかを検証するため、大勢の人が集まる場所における感染シミュレーションモデルを作成しているところだという。ナミラエは言う。

「ハーツバーグとウェイスの研究は興味深く、価値のあるものです、しかし、観測に基づいた研究には限界もあります。実際に起こり得るケースはいくつもあり、そのすべてを説明づけるのは容易ではありません。実際に10回、飛行機に乗ってみることはできますが、コンピューターモデルなら、さまざまな状況下で起こりうるシナリオを1万通りでもシミュレーションできるのです」

ハーツバーグとウェイスも、自分たちの研究の限界については認めている。論文でも、2通路式の機内や地方便、海外便の状況については、彼らの研究結果から推定しないよう助言している。飛行距離が違えば、乗客の行動にも違いが出てくる可能性があるからだ。

なぜボーイングは研究が正式に発表されるまで、ハーツバーグとウェイスが観察結果について口外するのを差し止めようとするのか。理由を尋ねるとジェルバは肩をすくめ、「航空会社が研究者の協力を仰ぐのは、現実的にリスクを軽減するために何ができるかを知るためですから」と言った。

それにしても、ボーイングが研究者への取材を制限したというのは驚きだ。研究結果では、現在のガイドラインより感染リスクが低くなると推定されるのだから、なおさらである。

今度、飛行機に乗るときに病気にならないようにするには、ジェルバの助言に従って通路寄りの席は避けることだ。データが彼の説を裏づけている。

そしてハーツバーグとウェイスのシミュレーションによれば、感染源が乗務員であれ、ほかの乗客であれ、窓側の席がもっとも感染リスクが低い。ジェルバの言葉を借りれば、「通路側の人がやられる」のだ。

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