産経ニュース

飛行機で病気に感染したくなければ「通路側の席」は避けるべし その理由を専門家が生物学的に解明

WIRED WIRED

記事詳細

更新


飛行機で病気に感染したくなければ「通路側の席」は避けるべし その理由を専門家が生物学的に解明

その理論を検証するため、ハーツバーグとウェイスを中心とした研究チームは空へ飛び立った。チームは2つに分かれ、単通路型航空機のエコノミー席で5列おきに座った。

調査チームは大陸横断路線の米国機10機の乗客1,540人と乗務員41人の全員について、座席を離れた回数、離れていた時間などについて詳細に記録した。トイレに何度行ったか、トイレを使うまでどのくらい待ったか、ほかの乗客と何回接触したかといった点もだ。

おそらくこの観察記録は、機内での行動調査としてこれまでで最も詳しいものだろう。そして、機内で乗客が席を離れるたびに生じる危険について、また病気になる可能性がどこでどのように増減するかについて、非常に興味深い考察に満ちている。

例を挙げよう。飛行中、一度も席を離れなかった乗客は全体の38パーセント、一度だけ席を離れた乗客も38パーセントだった(それ以外の乗客はもっと頻繁に席を離れている)。おそらくこれは意外ではないだろうが、席を立つ乗客の比率は座席の位置によって違ってくる。

最も頻繁に席を離れたのは通路側に座る乗客で、次に頻度が多かったのは中央の座席、次に窓側の座席に座る乗客だった。さらに、通路側に座る乗客がほかの乗客と接触する頻度は、窓側の座席の乗客の5倍以上になった。

1m以上の範囲への「直接感染」の危険は少ない

こうした例はいくらでも出せる。続けてみよう。半径1mを超える範囲の乗客と接した1,296人の場合、平均接触時間は1分間に47人だった(乗務員の平均だけを見ると、1分間に1,149人という恐るべき数字だった)。つまり、機内で病原菌が広がる機会は十分にあるということだ。

ハーツバーグとウェイスはこうした行動データをもとに、機内での伝染性呼吸器疾患の感染について、2種類のシミュレーションモデルを作成した。一方は客室中央の通路側に座る乗客について、もう一方は感染している乗務員についてである。

その結果は驚くべきものだった。ほかの乗客との接触の可能性がこれほど高いにもかかわらず、呼吸器系疾患が媒介者の座る席から1m以上の範囲に直接伝染する可能性は低いことが示された。「2列以内の法則」よりさらに狭い範囲ということになる。

感染者に最も近い位置に座る11人は、感染の危険が80パーセントを超える。しかし、それ以外の乗客のリスクは3パーセントを切った。

続きを読む

このニュースの写真

  • 飛行機で病気に感染したくなければ「通路側の席」は避けるべし その理由を専門家が生物学的に解明