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飛行機で病気に感染したくなければ「通路側の席」は避けるべし その理由を専門家が生物学的に解明

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飛行機で病気に感染したくなければ「通路側の席」は避けるべし その理由を専門家が生物学的に解明

まったく残念だ。なぜなら、先に言った通り、これは極めて興味深い調査内容だったのだ。飛行機のなかでどのようにして感染が広がるかを調べるため、ハーツバーグとウェイスは実際に機内で乗客の行動を観察した。これまで誰もやったことのない試みだ。

「これまでわたしが見たなかで、もっとも高度な調査研究のひとつです」とジェルバも言った。さらに2人の現場観察は、疾病の伝染において航空輸送がどのような役割を果たしているかを知る手段にもなるだろう。というのも、航空機内での疾病伝染について現在知られていることのほとんどは、間接的な証拠に頼るものなのだ。

例えばジェルバは、表面から採取したもので病原体を調べる。コンピューターでも疾病伝播のモデルを予測することは確かにできる。しかし、そのほとんどは感染者がある地点から別の地点に移動したという説明にしかならない。その感染者が移動中、「どのように」病原体を伝播させたかはわからないのだ。つまり、飛行機内での病原菌伝染については、ほとんどわからないままということになる。

「2列以内の法則」は当てにならない

米国疾病管理予防センター(CDC)や世界保健機関(WHO)など公衆衛生当局がよく使う「2列以内の法則」を考えてみよう。感染している乗客がいれば、その乗客の席から2列以内にいる人たちが最も感染する危険性が高いというものだ。

このガイドラインが依拠する事例は実証に基づいているものの、乗客が機内をどれだけ動き回るかを考慮していない。事例報告によれば、機内での疾病伝播の範囲は一次感染者から見て「2列以内の法則」にまるで当てはまらない乗客にまで広がっている。その理由は、こうした見落としから説明がつきそうだ。

乗客の移動のような要素は重要であり、疫学的モデルに含むべきものだ。インフルエンザなどウイルスによって感染する病気は、主に感染者の唾液や粘液を媒介として伝染する。こうした飛沫のほとんどは、少なくとも直径5ミクロンはある。

これは生物学的に見るとかなり大きく、つまり1m以上の距離まで飛ぶことはほとんどない。しかし、たいていの乗客は飛行中の機内で動き回る。そして、感染の危険は自分の座席を基準とした範囲の外まで広がることになる。少なくとも、理論上は。

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