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アップル、再び中国に屈する iCloudのデータを中国企業に渡した「罪」と「打算」

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アップル、再び中国に屈する iCloudのデータを中国企業に渡した「罪」と「打算」

強気に出るべき2つのメリット

 現在の中国は、アップルにとって3番目に大きな市場であり、成長を続けている。中国におけるアップルの収益成長率は6四半期連続で減少したが、「iPhone X」のおかげもあって、この2四半期は回復している。直近の四半期決算では、総売上の5分の1を中国が占めた。

 この状況で中国政府に逆らってビジネスを抑制すれば、投資家たちは納得しないだろう。しかし、投資家たちのなかにも、今回のアップルの決定を疑問視する者が少なくとも1人はいる。株主のジン・ツァオは、中国政府がiCloudにアクセスできるようになってもたらされる人権への脅威は、ヤフーがユーザーの電子メールを提供したときより悪化する可能性があると警告している

 では、アップルはどうすべきなのだろうか。中国人権の事務局長であるホンは、アップルが中国政府の要求に抵抗し続ければ中国でのビジネスを危険にさらすことになるが、長い目で見れば得るものは大きかったはずだと主張する。

 「IT企業が長期的な持続可能性をリスクにさらしたり、公的な中核事業の価値を傷つけることになったとしても、従業員や消費者、中国国民は、独裁的な政権を支援する企業の役割を認めないでしょう」

 さらにシリコンバレーの企業には、中国に対して世界的技術への参入方法を示すチャンスがある。ホン事務局長によると、中国政府はイノベイション、人工知能(AI)、ビッグデータにおいて世界的リーダーになり、「『中国的な特性を備えたサイバー空間』を構築する」30年計画があるという。

 だからこそ、アップルなどのIT企業にはよりよい基準を設定するチャンスがある。一方で、ネットでの人権侵害の「擁護者」になってしまう危険性もある。ホンは言う。

 「中国が抱く“グローバルな技術”というビジョンを前に、IT企業には基本的な権利と自由に基づいて、現在の国際法と人権の基準を維持する責任があります」

 アップルはあらゆる場所で先頭に立ってプライバシーを導いてきた。いま立ち止まるべきではないだろう。

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