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アップル、再び中国に屈する iCloudのデータを中国企業に渡した「罪」と「打算」

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アップル、再び中国に屈する iCloudのデータを中国企業に渡した「罪」と「打算」

アップルの「十分な実績」と「妥協」

 プライバシー保護に関して、アップルにはこれまで十分な実績がある。例えば、15年12月に起きたサンバーナディーノ銃乱射事件では、容疑者のiPhoneのロック解除を巡り、米連邦捜査局(FBI)と法廷で争った

 また、暗号化を標準で設定しているほか、ユーザーのデータを広告主に売らないと断固として主張してもいる。こうした事例を見れば、これまで中国当局に抵抗してきたことは驚くに当たらない。

 アップルはロイターに声明を送り、「iCloudはこうした法律の対象にならないと主張しましたが、結局その主張は中国政府には受け入れられませんでした」と述べている。

 中国のiCloudを閉鎖してしまうこともできたはずだ。ユーザーにとっては迷惑な話だが、iPhoneやiPadを購入できなくなるよりはましだろう。アップルは中国のiCloudユーザーに対し、少なくとも今回の変更については事前に通告していた。ユーザーはポップアップメッセージを確認するまでデータを転送されず、中国のサーバーにデータを残したくないユーザーには、ファイルを移動するチャンスが与えられる。

 アップルが妥協したのは今回が初めてではない。17年には、中国の「App Store」から数百のVPNアプリを削除するようにという中国政府の要求をのんだ。『フィナンシャル・タイムズ』の記事によれば、米国の上院議員がアップル宛の書簡で「言論の自由に対する中国の弾圧に抵抗」するべきだという圧力をかけたが、事態は覆らなかったという。

 アップルで公共政策を担当するヴァイス・プレジデント、シンシア・ホーガンは当時、「VPNアプリについて自社の考えを中国政府にはっきりと提示した」と述べている。アップルはデジタルにまつわる権利の提出要求を拒否すべく2度闘い、2度とも負けを喫したことになる。

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