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電気自動車が普及すると、電力網を「破壊」する? 問題解決のために、いまやるべきこと

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電気自動車が普及すると、電力網を「破壊」する? 問題解決のために、いまやるべきこと

EVが電力網にもたらすメリットとデメリット

 だが、よいニュースもある。すぐではないにせよ、EVの普及によって日々の電力需要の変動が抑えられ、電力網にメリットをもたらす可能性があるのだ。場合によっては、再生可能エネルギーをクルマのバッテリーに蓄えておき、必要なときにそのエネルギーを利用できるようになるかもしれない。

 電力会社が前もって計画を立てておく時間は、まだ十分に残されている。EVが電力網に与える影響を10年近くにわたって研究しているベシール教授によれば、道路を走るクルマのおよそ15パーセントがEVになるまで、影響が実際に現れることはないという。「Bloomberg New Energy Finance」が2017年夏に公開したレポートは、普及率がそのレヴェルに達する時期を「2035年以降」と予測している。

 とはいえ電力会社は、全国的な傾向に注意を払っているだけでは不十分だ。EVの普及ペースがほかの場所より速い一部の都市や地域で、プラグニングが発生する可能性に注意する必要がある。いわば、「イーロン・マスク症候群」とでも呼べる状況だ。「ある地区ですべての家がEVをもつようになれば、その地区で使用される電力の量は2倍になるでしょう」と、ベシール教授は指摘する。

 これが問題となる理由は、電力会社がハブ・アンド・スポーク方式で各家庭に電力を届けているからだ。つまり、発電所が生み出した電力を高圧線で送り出し、そこから周辺の家の電灯や冷蔵庫、それにテスラの新型EV「モデル3」などに電力を届ける。

 従って、EV好きの隣人が電力を多く使うようになれば、電灯が十分な電力を得られずに点滅するような事態が、下手をすると近隣の地区一帯で発生する可能性がある。政治の世界と同じく、電力網でも全国規模で起こったように思える問題が、実は地域で始まっていたということがあり得るのだ。

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