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自律走行が本当に必要なのは、クルマではなく「車椅子」だ--ある四肢麻痺のアーティストからの提言

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自律走行が本当に必要なのは、クルマではなく「車椅子」だ--ある四肢麻痺のアーティストからの提言

自律走行する車椅子は、ベースとして電動車椅子を使用する。手動の車椅子とは異なり、電動車椅子にはモーターが備わっているため、車輪を手で回さなくても動き回ることができる。

米国だけで推定800万人の人々が、よりよい解決策を切実に求めている。自律走行する車椅子の市場は広く、多様性がある。想定されるユーザーは、子ども[PDFファイル]や、安全上の規制により電動車椅子を禁止されることが多い老人ホームの入所者、あるいは感覚や微細運動能力に障害があるなどのさまざまな理由で電動車椅子を操作できない人まで、多岐にわたる。

電動車椅子を操作できる人でも、ストレスや疲労を感じることがあると報告している。人混みや狭い場所を通り抜けたり、最適なルートを見極めたり、(首の筋肉や指、あるいは息を使用して)適切な精度で車椅子を制御したりする必要があるからだ。

自律走行車の技術が救いの手を差し伸べるのはこの部分だ。サムスンやマサチューセッツ工科大学(MIT)、ノースウエスタン大学などが現在、自律走行する車椅子の開発を目指している。あらゆる試作品のなかでコスト効率が高く、すぐにでも実用化できそうなのは、カナダのトロントに拠点を置くロボット工学企業サイバーワークスが設計した車椅子だ。

サイバーワークスは16年夏、自律走行する車椅子を今後2~3年のうちに1,000ドル(約11万円)で発売すると発表した。ちなみに電動車椅子の価格は1,500~30,000ドル(約16万~320万円)だ(障害の程度によって幅がある)。これまでのところ、サイバーワークスの車椅子は室内でしか使用できないが、あらゆる地形で利用できる自律走行タイプの車椅子の技術に向けた第一歩となるだろう。

自律走行する車椅子の市場は、収益性が高く、安定している。何しろ、こうした技術の恩恵を受ける人が米国だけで800万人いる。車椅子の利用者に自動運転技術を提供できる企業は、この種のシステムが安全で信頼性が高いと示すことができる。

わたしのような歩行困難者にとって、車椅子は自動車と変わらない。動きがゆっくりで、走行する場所は車道ではないとしても、移動には不可欠なものである。テクノロジー業界には今後、数年のうちに数百万人にとっての絶対的英雄になるチャンスがある。世界の人口が高齢化していくいまはなおさらだ。

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