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自律走行が本当に必要なのは、クルマではなく「車椅子」だ--ある四肢麻痺のアーティストからの提言

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自律走行が本当に必要なのは、クルマではなく「車椅子」だ--ある四肢麻痺のアーティストからの提言

 クルマの文脈で語られることの多い自動運転技術。もし車椅子で活用できれば、世界中の障害者や高齢者たちの「自立したい」という希望が叶う--。進行性の多発性硬化症を患い四肢麻痺の状態にあるアーティストが、テクノロジーの「真の恩恵」について語り、提言する。

PHOTO: PM IMAGES/ GETTY IMAGES PHOTO: PM IMAGES/ GETTY IMAGES

自動運転技術といえば、たいていは効率や安全性、利益や仕事などの話になる。だが、このイノヴェイションは自動車にしか使えないものではない。「自律走行する車椅子」が誕生すれば、数百万人に上る人々の生活を変えるだろう。

わたしは進行性疾患の多発性硬化症を患っており、四肢麻痺の状態にある。手も足も使えない。増加しつつある歩行困難者のひとりだ。

米国立衛生研究所(NIH)によると、米国では高齢化や慢性疾患の増加、長寿化に伴い、65歳を超える人の数は今後30年間でほぼ2倍となり、2050年までに8,800万人に達すると予測されている。年齢とともに障害の割合も増える。歩行困難者の問題は今後、あらゆる人々に影響を与えるものになるだろう。

歩行困難者たちは、自立したいと夢見ている。わたしたちが自立するためには、支援技術が欠かせない。職場で成功したり、意義のある生活を送ったり、普段ならこなせないような日常業務をやり遂げられるよう、手助けしてくれる技術だ。

自律走行する車椅子は、障害を抱えて生活する人々にまったく新しいレヴェルの自立性をもたらすだろう。しかも、この技術はすでに存在しており、それほど無理のない価格で手に入る。一番の問題は、ハイテク企業からの投資がないことだ。

世界が待ち望む「夢の技術」

シリコンヴァレーは、イノヴェイションや最先端の製品で有名であり、人々の生活を改善する技術を開発しているという自負もある。自律走行する車椅子はテック企業やヴェンチャー投資家にとって、成長産業に投資しながら数百万人の人々の生活を変える絶好の機会となる。

自律走行する車椅子の主な顧客候補は、わたしのような電動車椅子の利用者だ。米国だけでも、600万人が電動車椅子を必要としており、その多くが車椅子の操作にも支援が必要な状態にある。手を使えないわたしもそのひとりである。

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