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わたしたちは常に監視されている? 米国で犯罪捜査に使われる「秘密プログラム」の危険性

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わたしたちは常に監視されている? 米国で犯罪捜査に使われる「秘密プログラム」の危険性

EFFは2014年、情報自由法と公文書法に基づき、ヘミスフィアに関する情報開示を要求した。だが、政府が提供したのは大幅に編集されたファイルだけだった。これを受けてEFFは15年に訴訟を起こした。現在は、カリフォルニア州の裁判所が、さらなる情報を公開することが警察の捜査を妨げることなく可能かどうかについて、判断を下すのを待っているところだ。

「令状がないまま行われるなど、憲法に違反する監視技術だとわれわれが考える捜査について、政府は曖昧にしています。さらに裁判において、被告が関係するすべての証拠を入手する能力を損なっています」とマッキーは言う。

「偶然の」出来事も捜査に使われる

パラレルコンストラクションには、車両停止命令のようなシンプルな出来事が含まれることもある。例えば、容疑者を尾行していた地元警察が、ウィンカーを出さなかったなどの軽微な理由で容疑者のクルマを停止させる場合などがそうだ。これらは偶然の停車命令に見せることを意図して行われるが、警察は多くの場合、麻薬取締局などの連邦機関から受けとった情報に基づいて動いている。

「連邦当局は内部情報を伝える際に、自分たちが何を追いかけているのかを地元当局に教えないことすらあります」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチのセイント=ヴィンセントは話す。こうした情報は場合によっては、「特定の時間・場所でクルマを監視せよ」というくらいシンプルな場合もあるという。

ヒューマン・ライツ・ウォッチの報告書によると、こうした停車命令は、「ウォールオフ」や「ウィスパー」と呼ばれているという。これらの手法では内部情報の開示を避けるため、地元警察は容疑者のクルマを止まらせるための「相当な理由」を見つけなければならない。法廷で、この内部情報について言及されることは決してない。捜査のきっかけは「偶然の」停車命令だったと述べられるのだ。

報告書は、パラレルコンストラクションは公正な裁判を受ける権利を妨害すると指摘したうえで、議会はその使用を禁止する法律を制定すべきだ、と結論づけている。共和党上院議員のランド・ポールなど一部の政治家も、この行為の禁止を訴えてきた。

さらにパラレルコンストラクションを批判する人々は、この行為は裁判官の職務を妨げるものとして禁止されるべきだと考えている。「これによって警察は、多大な権力を実際に得ています」とセイント=ヴィンセントは語る。「パラレルコンストラクションのせいで裁判官は、証拠が合法的に入手されたものかどうかを判断する役割を担えなくなってしまっているのです」

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