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フィギュアスケートの「5回転ジャンプ」は本当に可能なのか その難易度を専門家が力学的に考察

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フィギュアスケートの「5回転ジャンプ」は本当に可能なのか その難易度を専門家が力学的に考察

ブリガムヤング大学のバイオメカニクスの研究者サラ・リッジは、「おもりを利用したうえで、ジャンプしたあとで腕をおもりがないときと同じ状態まで回転軸に近づけることができれば、回転速度は上がるはずです」と話す。あくまで理論上の話だが、リッジがウェイト入りの手袋が回転速度に及ぼす影響を調べたところ、わずか6オンス(170グラム)の手袋をしただけで、被験者は最初の数回のジャンプでは過回転する傾向があったという。

つまり、重さを加えることで回転速度を上げる効果があったのだ。しかしアスリートたちはすぐに重さに順応し、何回か試したあとでは通常の回転速度に戻った。

ゲーブルはリチャーズの意見には反対で、5回転ジャンプは補助なしでも可能だと考えている。それどころか、難易度が高くチェンですら飛んだことのない4回転アクセルより、先に実現する可能性もあると話す。

アクセルジャンプは前向きに飛ぶため、回転するうえで非常に重要となる安定性を与えてくれるトウピック(ブレードの先のギザギザ)ではなくエッジからジャンプすることになる。ゲーブルは「トウピックが氷にきちんと入り込むと安定して飛べます。しかしアクセルでは、早く踏み切り過ぎたり、姿勢が前や横に崩れたりすると、ブレードの正しい場所を使ってジャンプできません。こうなると垂直ではなく水平に回転し、悲惨な結果に終わってしまいます」と説明する。

ゲーブル自身もトリプルアクセルより前に4回転ジャンプに成功した。だから、誰かが4回転アクセルの前に5回転を飛ぶだろうと考えている。現役のフィギュアスケーターでは難しいし、次の世代でも無理かもしれない。しかし、次の次の大会ならどうだろう?

ゲーブルは言う。「6~7年後の公式戦で、世界最高峰の選手が5回転に挑むのを見ても驚きはしないでしょうね」

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