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ノロウイルスの脅威からどうすればオリンピック選手を守れるか 平昌五輪を襲った「強敵」の撃退法

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ノロウイルスの脅威からどうすればオリンピック選手を守れるか 平昌五輪を襲った「強敵」の撃退法

 平昌冬季オリンピックに“強敵”が現れた。五輪会場の警備員らがノロウイルスに感染して1,200人が隔離されるなど、この感染力が極めて高いウイルスへの対策が急務になっている。閉鎖された環境で勝負に挑むオリンピック選手たちを、どうすればウイルスの猛威から守れるのか。

PHOTO: ALEXANDER HASSENSTEIN/GETTY IMAGES PHOTO: ALEXANDER HASSENSTEIN/GETTY IMAGES

もしかすると気分の悪い話になってしまうかもしれないが、少々お付き合いいただきたい。

韓国の聯合ニュースは2月6日、平昌冬期オリンピックの警備員のうち41人に下痢や嘔吐などの症状が見られ、1,200人が隔離されたと報じた。検査の結果、ノロウイルスへの感染が明らかになった。ノロウイルスといえば、豪華客船でのクルーズですら諦める理由になるほどだ。

各国の選手団が過ごす選手村は、学校の寮のようなものだ。外部から隔離されて閉ざされた空間であることに加え、共用の食堂で食事をすることになる。つまり、ノロウイルスの天国だ。選手の間で感染が広まれば大惨事になりかねない。

ノロウイルスは胃腸を襲うモンスターで、「吐き気を引き起こす冬の虫」とも呼ばれる。症状は嘔吐、下痢、発熱のほか、腹痛など痛みや悪寒を伴うこともあるが、たいていは3日以内に収まる。感染により生命に危険が生じることはほとんどない(死んだほうがましだと思うことはあるかもしれないが)。

その猛烈な感染力

ノロウイルスは感染が非常に拡大しやすい。アリゾナ大学教授で微生物学を教えるチャールズ・ゲルバは、「感染者の7割に噴出性の嘔吐が起こります。そうなるとウイルスが飛び散ってしまうため、公共の場での感染制御は困難です」と話す。「ウイルスの数が10個以下でも感染の可能性がありますが、嘔吐によって何百万個ものウイルスが放出されます。また糞便1グラムには10億個か、下手をすれば100億個のウイルスが含まれているのです」

ウイルスは飛散して空気中を漂うため、その空気を吸えば体内に取り込まれてしまう。感染は手や指を経由して、ほかの人が触れる可能性のあるものの表面に付着したウイルスによっても引き起こされる。ウイルスはどこかに付着したままで2週間は感染力を保持でき、除去するには次亜塩素酸ナトリウムを含む漂白剤を用いて消毒しなければならない。二次感染を防ぐには感染者だけでなく、感染者と行動をともにした感染リスクのある人も隔離する必要がある。

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