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史上最悪のサイバー攻撃にさらされる平昌五輪 ロシアの報復と北朝鮮の思惑

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史上最悪のサイバー攻撃にさらされる平昌五輪 ロシアの報復と北朝鮮の思惑

これらの情報はどれも不正行為の証拠とはならない。少なくとも、ロシアが何千人もの選手に対し、国を挙げてドーピングプログラムを施していた状況とはまるで比較にならない。このため、スポーツ界や西側の報道機関はおおむね、このニュースを無視したが、ロシア国営メディアはご丁寧にもリーク内容を繰り返し報じている。

ジョンズ・ホプキンズ大学のリッドは今回の攻撃について、米大統領選への介入と同様、影響がどの程度のものか簡単には判断できず、無視するのは危険だと指摘する。また、かつてのソ連国家保安委員会(KGB)が1984年に取った戦術にもなぞらえる。この年にはロサンゼルス五輪が開催されたが、旧ソ連は参加を拒否した。西側諸国が前回のモスクワ五輪をボイコットしたことへの対抗措置だった。

KGBは大会を混乱させようと、クー・クラックス・クラン(KKK)を装ったパンフレットをアジアやアフリカなど20カ国の選手に郵送し、人種差別に基づいた襲撃を行うと脅した。リッドは「彼らには崇高な目的などありません。機械の歯車にレンチを挟んだり、砂をかけたりするようなものです。ただ敵の邪魔をしたり、自分たちに都合の悪い対立から目を逸らすために、仲間内に不和を生じさせようとするのです」と話す。

リークにとどまらない、「次」なる目的

ファンシー・ベアはまだ公開していない情報をもっているかもしれない。サイバーセキュリティー企業トレンドマイクロと米ThreatConnectは、この集団がフィッシング攻撃に利用したとみられる一連のドメインを発見したと発表した。

情報の流出は確認されていないが、オリンピックの関連団体への不正侵入に使われた可能性は捨てきれない。これまでに米国と英国の反ドーピング機関、アジアオリンピック評議会、欧州アイスホッケー連盟、国際スキー連盟、国際バイアスロン連合、国際ボブスレー・トボガニング連盟を偽装するドメインが登録されたと明らかになっている。

誤解のないように繰り返すが、これらの組織が不正侵入の被害に遭ったという証拠は、現時点では存在しない。しかし、トレンドマイクロとThreatConnectは今回、偽ドメインを登録したグループは、以前もファンシー・ベアの活動に協力し、偽ドメインを登録したことがあると指摘している。同じように、偽ドメインのどれかが深刻なリーク源となる危険性は十分にある。

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