産経ニュース

史上最悪のサイバー攻撃にさらされる平昌五輪 ロシアの報復と北朝鮮の思惑

WIRED WIRED

記事詳細

更新


史上最悪のサイバー攻撃にさらされる平昌五輪 ロシアの報復と北朝鮮の思惑

ロシアの報復か、「ファンシーベア」が再び

もう片方のはるかにあからさまなハッキングを仕掛けているのは、ロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)の傘下にあるとされるハッカー集団だ。「ファンシー・ベア」または「APT28」の名で知られるこのグループは、2016年の米大統領選で民主党全国委員会とヒラリー・クリントン候補の陣営に攻撃を仕掛けていた。

ファンシー・ベアは16年9月には世界反ドーピング機関(WADA)を標的にした。目的を「西側諸国にまん延するドーピングの証拠を明らかにする」としていたが、実際は違うだろう。ロシア選手団は16年と18年、組織ぐるみでドーピングを行なっていたとして、オリンピックから締め出された。この処罰への報復だ。

ファンシー・ベアはWADAから盗み出した極秘データを初めてリークした際、「まず汚れた勝利により自らの名をおとしめた米国チームから始める。(中略)有名なアスリートが禁止薬物を使っていると明かす衝撃的な証拠を待て」という声明をウェブサイトで発表した。

このときには、テニスのウィリアムズ姉妹、体操のシモーネ・バイルズといったアメリカの人気選手の医療記録が公にされた。選手たちが注意欠如多動性障害(ADHD)や筋肉炎の治療に使われる薬を飲む許可を得ていたというものだ。これらの薬品は身体能力を向上させる可能性があるという。

KGBの“戦術”に倣うハッカーたち

ファンシー・ベアは今年に入ってから、オリンピックを巡るサイバー攻撃を激化させた。1月初めには、国際オリンピック委員会(IOC)とWADAとの間に政治的緊張があるとした電子メールを公開。同月後半には、WADAが特定の選手に禁止薬物の使用を例外的に認めた事例を暴露した。

これは、あるスウェーデンのリュージュの選手は禁止されているぜんそくの薬を使っており、別のイタリアの選手は薬物検査を受けなかったことがあるといった内容だ。さらに、1月31日には3回目のリークがなされ、カナダの棒高跳び選手ショウナシー・バーバーが16年のリオデジャネイロ五輪に出場した際、薬物検査でコカインの陽性反応が出ていたと指摘している。

続きを読む

このニュースの写真

  • 史上最悪のサイバー攻撃にさらされる平昌五輪 ロシアの報復と北朝鮮の思惑