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「ググる」という動詞はこうして一般化した その誕生とグーグルが支配する情報世界ができるまで

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「ググる」という動詞はこうして一般化した その誕生とグーグルが支配する情報世界ができるまで

しかし2002年までには、わたしたちのような素人もこの言葉に慣れ、検索エンジンが何に使えるのか理解し始めた。証拠収集やストーカー、そのほかのちょっとやり過ぎなことができてしまうのだ。

テレビドラマの『バフィー ~恋する十字架~』のファイナルシーズンの第4話で、ウィローがバフィーに「彼女のこと、ググってみた?」と聞くシーンがある。一緒にいたザンダーがその単語はなにか性的なことを意味するのだと勘違いして、「まだ17歳だろ!」と口を挟むと、あきれたウィローは「検索エンジンのことよ」と言い返す。

アメリカ英語学会は翌年、この他動詞を「もっとも便利な単語」に選んだ。2006年6月には、オックスフォード英語辞典に「Google」が追加されている。

グーグルが“認定”した情報だけが存在する世界

90年代に情報スーパーハイウェイ構想が人々を圧倒して以来、ググるという動詞は瞬く間にわたしたちが必要とする語彙の一部になったようだ。安っぽいつくりのテレビとそれが吐き出す番組に、それなりの秩序があるように見せかけていたのは巨大企業だったが、グーグルのミッションは「世界の情報を体系化する」というファウスト的な野心に満ちたものだ。

だがもちろん、「ググる」ことは「体系化する」ことを意味しない。それは自分が情報の森で目の前に示された道を切り開き、情報の山脈を乗り越えて、情報の一塁・二塁・三塁を颯爽と駆け抜けているように装いながら、実際にはグーグルという組織に服従することを意味するのだ。

グーグルとそれに従う者たちによるこの共同幻想の一部をなすのが、ネットの「情報」はグーグルが世界の体系化という目標を打ち出す前から、ある種の自然状態として存在していたかのように振る舞う行為だ。しかし実際には、いま目の前にある情報はグーグルが提供する「製品」である。

その情報はグーグルが「ググることができる情報である」と認定し、それを順位づけして難解なアルゴリズムのヒエラルキーに組み込まない限り、存在しないことになってしまう。そしてグーグルはすべての情報に対し、グーグルの目に魅力的に映るように姿を変える努力をすることを奨励する。つまり「ググる」という行為は、グーグルこそ情報世界の総体であり、その世界を通行するための唯一の道であるというフィクションを受け入れることなのだ。

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