産経ニュース

火星の表面のすぐ下に、「きれいな氷」が発見される 米探査機のデータ分析から明らかに

WIRED WIRED

記事詳細

更新


火星の表面のすぐ下に、「きれいな氷」が発見される 米探査機のデータ分析から明らかに

 火星の地中に存在する氷には不純物がほとんどなく、しかも採掘可能かもしれない--。そんな調査結果が、アメリカ地質調査所(USGS)の研究で明らかになった。将来的な有人火星探査やイーロン・マスクの火星移住計画にとって朗報と言えるが、その前にさらなる調査が計画されているのだという。まずは今回の研究結果の詳細について見てみよう。

火星の表面を撮影した写真を画像処理したもの。濃い青色の部分が氷である。PHOTOGRAPH COURTESY OF NASA/JPL/UNIVERSITY OF ARIZONA/USGS 火星の表面を撮影した写真を画像処理したもの。濃い青色の部分が氷である。PHOTOGRAPH COURTESY OF NASA/JPL/UNIVERSITY OF ARIZONA/USGS

 火星の地中には大量の氷が存在する。しかし、それは純粋な氷なのか、地表からの深さはどのくらいなのか、どのような形状をしているのかといったことは、地質学者たちにとって謎のままだった。

 こうした情報は宇宙計画の策定においても重要だ。未来に滞在型のミッションや火星への移民が実現すると仮定して、地中の氷を掘って飲み水や農業用水にしたり、あるいは燃料用の水素をつくるのであれば、その特質を理解する必要があるからだ。

 問題は土や石、またそのほかの地表にある物質が探査の障害になっていることだった。探査機の掘削能力は地表から数センチで、レーダーを使えば地中のはるか深くに何があるかを調べることはできる。しかし、そのちょうど中間である地表から約20mの位置にある氷の組成は、ほとんど解析されていなかった。

 幸いなことに、地表では侵食という作用が起きる。レーダーや掘削ロボットがなくても、時とともにむき出しになった場所を見つければ、火星の地下層とそこに含まれる氷を調べることができるのだ。そして、アメリカ航空宇宙局(NASA)の多目的探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター」に搭載された高解像度カメラ「HiRISE」のおかげで、そうした地点が数カ所発見された。

不純物がなく採掘可能な氷の存在

 アメリカ地質調査所(USGS)の惑星地質学者コリン・ダンダスが率いるチームは、侵食によって生じた急勾配の大きな斜面に氷の層が露出している地点8カ所で調査を行った。『サイエンス』誌の1月12日号に掲載された論文では、その量だけでなく(火星の特定の地域に大量の氷が存在するという事実は驚くべきことではない)採掘が可能であるという事実が明らかになった。

 氷床は地下1m辺りから見られ、最大で地下100m以上の深さまで広がる。氷の推定埋蔵量は不明だが、調査チームは地表近くに存在する氷は実際に露出している面積よりさらに広範囲に及ぶと推測している。また、氷には不純物などは混じっていないように見えるという。

続きを読む

このニュースの写真

  • 火星の表面のすぐ下に、「きれいな氷」が発見される 米探査機のデータ分析から明らかに