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南極の巨大氷河が急速に解けている理由は気温上昇だけではない その原因は「西風」にあった

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南極の巨大氷河が急速に解けている理由は気温上昇だけではない その原因は「西風」にあった

「これが何を意味するかと言えば、温かい水が押し寄せて沿岸部がほんの少しでも解けると、手に負えない状況がかなり早く訪れるということです」と述べるのは、オーストラリアにあるニューサウスウェールズ大学の海洋学者、ポール・スペンスだ。スペンスが17年7月に『Nature Climate Change』に発表した研究では、同様の湧昇パターンが原因で、ほとんどの氷床や氷河の基部が海面より低い位置にある西南極大陸で急速な融解が起きていることに注目している。

「この現象は、これまで非常に速いペースで起きています。氷河が形成されるまでには数千年もの時間がかかりますが、わずか数年で完全に崩壊する可能性があるのです。それはわたしたちが最も懸念していることです」

「風」と海面上昇の研究はこれから

すでに海水はトッテン氷河の棚氷の端から、その岩盤を約125kmも内陸に進んだ地点まで等高線沿いに谷を刻んでおり、その深さは海面下3km以上に及ぶ。トッテン氷河が融解すると、西南極大陸全体が融解した場合と同じくらい海水面が上昇する可能性がある。約300万年前にトッテン氷河が崩壊して海に流れ込んだときは、世界中の水面が6~9mも上昇した

同じ現象が再び起きる可能性を検討するには、スーパーコンピューターによる本格的な分析が必要だ。しかし、南極における風や水、氷の相互作用が世界的な海面上昇に組み込まれるようになったのは、ごく最近のことである。

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