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南極の巨大氷河が急速に解けている理由は気温上昇だけではない その原因は「西風」にあった

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南極の巨大氷河が急速に解けている理由は気温上昇だけではない その原因は「西風」にあった

ある意味で、このような状況は驚くにあたらない。研究者たちは何十年も前から、温暖化とともに地球の極氷の量が減少すると予想してきたからだ。

ところが、近年の衛星データやモデル現地調査などにより、その減少がどの予想よりも速く進んでいることが明らかになった。さらに、南極で氷の減少が加速している原因が、気候変動のなかでもあまり注目されていなかった「風」にあるとする証拠が次々に見つかっている。

この西風は、世の終わりを感じさせる

16年には米国とオーストラリアの研究者たちが、深海の峡谷から上昇する海流によってトッテン氷河の下側が、氷が解けるほど温かい水にさらされていることを発見した。その仕組みは謎だったが、17年11月1日付で発表されたその後の研究によると、南極沖から吹いてくる西風によって湧昇が発生し、氷河の氷の流れが速くなっていることが示された。

この現象が正常ではない理由を感覚的につかむには、海水と氷の接触面で何が起きているかを理解するとわかりやすい。氷河や棚氷が解けるときには、冷たい真水が海の表面に放出され、それよりも温度、塩分、および濃度が高い海水の上に溜まっていく。その境界は段階的ではなく、はっきりしている。冷蔵庫に入れておいたドレッシングが瓶の中で分離し、使う前に再び振らなければならないのと同じだ。

この境界はサーモクライン(水温躍層)と呼ばれ、それが海のどの深さにあるかは正確に測定できる。そして、サーモクラインが氷河のところまで上昇した場合に融解が起きる。

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