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NASAは人工知能で「月の地図」をつくっている 宇宙で民間技術が飛躍する理由

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NASAは人工知能で「月の地図」をつくっている 宇宙で民間技術が飛躍する理由

研究者たちは惑星科学やエンジニアリング、AIといった分野から応募式で集められる。FDLはそのなかから、過去の研究やスキルをもとに参加する研究者を選抜する。「研究者には応募時にどのチャレンジに興味があるか書いてもらいますが、実際に誰をどのグループに入れるかは主催者側がキュレーションしています。チャレンジごとに必要なスキルセットをもった人を確実に集めるためです」とFDLのプロデューサー、サラ・ジェニングスは言う。

 NASA Frontier Development Labのプロデューサー。FDL参加前はXPRIZE財団に所属し、同財団が主催する賞金総額1000万ドルのコンペティション「Tricorder X Prize」のオペレーションなどを担当。また2014年には、サンフランシスコで毎年開催される「NewSpace conference」のカンファレンス主催者も務めた。PHOTOGRAPHY BY DOMINIQUE GAUL

ちなみに研究者たちの出身国はさまざま。アメリカやイギリス、ポーランド、ルクセンブルク、ブラジル、インドなど、世界各国から優秀な研究者たちが集まってくる。

そうして集まった出身も研究分野もバラバラな研究者たちが、それぞれ4~5人のチームを組みチャレンジに取り組む。驚くべきことに、8週間という短期間のなかですべてのチームが、実際に機能するレヴェルのプロトタイプを完成させるという。

「例えば、17年には『長周期彗星の接近予測』というチャレンジがありました。まだ知られていない長周期彗星の地球接近を早期に予測せよ、という課題です。このためにチームが目を付けたのは、彗星を母天体とする流星群でした。しかし、空に向けられたカメラから流星を自動で識別するのは難しい。鳥や虫、飛行機と間違える可能性があります。そこで彼らは、大量の画像を使ってAIを訓練し、全天カメラが撮影した画像からAIが自動で流星群を識別するアルゴリズムを完成させました」と、ジェニングスは言う。このアルゴリズムは、すぐにでも実用可能なレヴェルのものだという。

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初年度は「地球防衛」を目的としていたFDL。2年目からは、惑星保護に限らず、より広く宇宙で使えるAIの研究を行っているという。

2017年の月面探査のチームがそのよい例だ。課題は、水があるとされる月の極地方のクレーターマップ作成をAIで自動化すること。粗い地図からクレーターを見つけて地図に起こす作業は、人間の手では小さな区画でも数週間かかるという。

そこでチームの研究者たちはIntelのディープラーニング技術を使い、自動でクレーターを識別するシステムをつくった。デモによると、この技術を使えば専門家が手作業で3時間かけて行う作業を、ほぼ同じ精度で1分でこなせるという。

NASA Frontier Development Lab(FDL)は2017年、Intelのディープラーニング技術を使い月面の画像から月のクレーターを探知するシステムを開発した。クレーター探知の精度は98パーセント、1分間に処理できる画像数は1000枚にものぼる。FDLのサイトでは、クレーター判別の精度をAIと競えるページも公開されている

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