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NASAは人工知能で「月の地図」をつくっている 宇宙で民間技術が飛躍する理由

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NASAは人工知能で「月の地図」をつくっている 宇宙で民間技術が飛躍する理由

 あらゆる分野で人工知能(AI)の活用が模索されるいま、その範囲は地球外にも広がっている。NASAはIntelやIBMといった民間企業と連携し、AIの宇宙での活用法を探るR&Dアクセレーターを始動。そこではディープラーニングをはじめとする新しいAIの応用法が生まれ始めている。ルクセンブルグで開催された「Newspace Europe」に登壇したプロデューサーに、AIが宇宙を切り開く可能性を訊いた。

NASAのAI専門R&Dアクセレーター、NASA Frontier Development Lab(FDL)は、2017年Intelのディープラーニング技術を使い、画像から自動で月のクレーターをシステムをつくった。PHOTOGRAPH COURTESY OF NASA FRONTIER DEVELOPMENT LAB NASAのAI専門R&Dアクセレーター、NASA Frontier Development Lab(FDL)は、2017年Intelのディープラーニング技術を使い、画像から自動で月のクレーターをシステムをつくった。PHOTOGRAPH COURTESY OF NASA FRONTIER DEVELOPMENT LAB

NASAが2013年6月に発表した「Asteroid Grand Challenge」。日本語で「小惑星グランドチャレンジ」と訳されるこのプログラムは、小惑星衝突の危機から地球を守るための壮大なミッションだった。

まるで『アルマゲドン』のようなこのプログラム。その目的はもちろん単に小惑星を爆破することなどではなく、「小惑星による人類への脅威をすべて発見し、それにどう対処するかを理解する」ことだ。つまり、接近してくる小惑星をすべて発見・追跡して正体を暴き、地球に何か悪影響を与えるものなら最適な回避方法を考えよ、というお題である。

この途方もない難題に取り組むため、プログラムのメンバーだったジェームズ・パーは民間企業やアカデミアがもつ人工知能(AI)の知識の活用を思いつく。これが「NASA Frontier Development Lab」の始まりだ。

8週間で実用可能なアルゴリズムが完成する

NASA Frontier Development Lab(FDL)は、NASAが民間セクターとの協力のもと2016年にローンチしたAI専門のR&Dアクセレーターである。毎年夏にPh.D.やポスドクの研究者たちを集め、8週間のブートキャンプを行う。研究者たちはこの期間中、あらかじめ決められた「チャレンジ」すなわち課題に取り組むことになる。例えば初年度の課題は、「小惑星の組成解析」「3D形状モデリング」「小惑星の最適な進路変更法の判定」の3つだった。

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