産経ニュース

雷から「反物質」が生成されるメカニズム、ついに解明へ 京都大学の研究チームが発表

WIRED WIRED

記事詳細

更新


雷から「反物質」が生成されるメカニズム、ついに解明へ 京都大学の研究チームが発表

「観測可能なほど大量の中性子や陽電子が雷で生成されているというのは、大変な驚きでした」と語るのは、今回の研究で検出装置の制作やデータ解析で中心となった、東京大学大学院の和田有希氏だ。「地上には宇宙線などの環境放射線が常に存在しており、われわれの高感度な検出器でも、陽電子が少量生成されたくらいではその存在を観測できないのです」

自然界にはほとんど存在しないと考えられていた反物質は、今回の研究により、雷という身近な自然現象によって大量に生まれていることが確認された。そして「電子・陽電子対消滅」ガンマ線を含むこれら一連の現象は、雷を引き金とした光核反応として説明できることが、世界で初めて観測的に解明されたのだ。

一方で、光核反応や反物質の生成のきっかけとなる、最初の「落雷による強力なガンマ線」はどのような仕組みで起こるのかはよくわかっていないという。これについて、榎戸教授は次のように推測している。

「このメカニズムは完全には解明されていませんが、雷の放電時に強い電場で電子が光速近くまで加速され、大気にぶつかって放出される制動放射ガンマ線と考えられています」 

市民からの研究費サポートによりオープンサイエンスへ

一般市民からサポートを得たこれら一連の研究内容は、学術誌『Nature』に掲載されている。なお、日本語版の詳細にはプレスリリースからアクセスできる。

今回の「雷雲プロジェクト」は、市民参加型の科学プロジェクトとして観測データが公開されている。彼らは今後、観測拠点の拡大やデータ解析などで市民の協力を得るために、「サイエンス・ミートアップ」などの勉強会を通じて連携の強化をはかっていく予定だという。

このニュースの写真

  • 雷から「反物質」が生成されるメカニズム、ついに解明へ 京都大学の研究チームが発表