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雷から「反物質」が生成されるメカニズム、ついに解明へ 京都大学の研究チームが発表

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雷から「反物質」が生成されるメカニズム、ついに解明へ 京都大学の研究チームが発表

雷が引き金となった3つのガンマ線発生源

研究チームは、17年2月6日に柏崎市に設置された4台の測定器により、雷由来の強力な放射線を検出した。彼らは最初に、落雷の瞬間に非常に強いガンマ線を確認。次に、落雷から約50ミリ秒ほど続く「ショートバースト」ガンマ線を検出した。

さらに、電子とその反物質(反粒子)である陽電子が衝突して放出される「電子・陽電子の対消滅」ガンマ線を落雷から約1分にわたって検出した。これらの観測結果について、研究チームは3つのガンマ線発生プロセスを以下のように説明している。

まず、落雷による「強力なガンマ線」が大気中の窒素14Nの原子核にぶつかり、中性子を1個外に弾き飛ばす。光核反応と呼ばれるこのプロセスの結果、弾き飛ばされた中性子と、中性子がひとつ減った窒素の放射性同位体である窒素同位体13Nが生成される。

次に大気中の窒素14Nが、弾き飛ばされた中性子を吸収することで窒素同位体15Nに変化する。そして窒素同位体15Nは、中性子を吸収した際の余剰なエネルギーを、「ショートバースト」ガンマ線(脱励起ガンマ線)として放出する。

光核反応で生成された窒素同位体13Nは不安定なため、ベータプラス崩壊を起こし、原子核の陽子1個が中性子に変わる。その結果、炭素13C、ニュートリノ、陽電子(反物質)が発生。この反物質が大気中の電子と衝突することで対消滅し、「電子・陽電子対消滅」ガンマ線を放出する。

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