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新しい「3つのiPhone」からどれを選ぶか…究極の選択を心理学的に考察してみた

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新しい「3つのiPhone」からどれを選ぶか…究極の選択を心理学的に考察してみた

意思決定の際に細かいことまで確認したい人なら、さらにニューウェル教授が「加重加算法」と呼ぶ方法を使うこともできる。仕様の各項目に対して、その相対的な重要性に相当する数字を割り当てるのだ(どの項目をより高く評価するか。例えば後ろのポケットにぴったり収まるものがいいか、仕事から電車で家に帰るまでの間にバッテリーが消耗しない方がいいか。後者を評価するならバッテリーの寿命に、フォームファクターより大きな数字を割り当てる)。割り当てが終わったら、自分が本当に欲しいものは、それぞれの装置の加重値を合計するだけで簡単に特定できる。

iPhone Xが生み出す「妥協効果」

理論上は簡単だが、実際にはこうした計算までする人はほとんどいないだろう。ガジェットに対する欲望は、理性ある決断力を衰えさせるものだ。計算までしなくても、直観的な属性加重によって多少は判断が示されても、すぐに曖昧になってしまうとニューウェル教授は指摘する。

物事をさらに複雑にするのが、iPhone Xが発表されたタイミングだ。大手リサーチ団体によると、2つの選択肢がある場面に3つ目の選択肢を追加すると、元の2つの選択肢の評価が影響を受ける可能性がある。つまり、人が購入を決断する根拠には、買おうとする製品の属性だけではなく、買わない製品の属性も含まれるわけだ。

これは、心理学で「文脈効果」と呼ばれるものであり、このなかでも最も研究が進んでいるのが「妥協効果」と呼ばれる現象だ。たとえば、「品質・性能」と「値頃感」という2つの次元において異なる選択肢AとBがあるとする。Aの方がよいと思うが、Bの方が安い。ここに、格段に好ましいが、法外に価格の高い3つ目の選択肢Cを追加すると、妥協効果が生まれる。Cがあることによって、Aが妥協の対象となり、その魅力が増加するのだ。

アップルが発表した2017年のiPhoneのラインナップは、妥協効果を狙ったこの実験条件に非常によく似ている。

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