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「抗生物質まみれ」の食肉産業は今後どうなる 業界の「闇」に迫った科学ジャーナリストが語った

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「抗生物質まみれ」の食肉産業は今後どうなる 業界の「闇」に迫った科学ジャーナリストが語った

マケナ:それについては、占いに使うおもちゃの「マジック8ボール」と同じく、「はっきりとはお答えできません。もう少ししてからまた尋ねてください」としか言えません。一方で、鶏肉を巡って米国社会で起きたことには、とても勇気づけられています。科学と農業が何十年にもわたって膠着状態にあったなかで、連邦によるいかなる措置よりも早く、消費者運動が起こりました。

2013年には不買運動が起こされ、抗生物質を日常的に使用して育てられた食肉は支持しないという意志が明確に示されました(米国では、社会的圧力の結果、マクドナルドやサブウェイ、ウェンディーズ、タコベル、KFCなどの人気レストランチェーンは、抗生物質を使用して育てられた肉の提供を段階的に廃止すると発表している[日本語版記事])。科学的信念の仕組みや規制の仕組み、市場動向の仕組みは大規模で複雑ですが、それでも方向転換は可能であることが示されたのです。

それでも、西欧諸国における豚や牛、あるいはグローバルサウス(発展途上国および地域)における家畜農業で、今後何が起きるかはわかりません。現時点では、抗生物質を使わない食肉を求める運動の多くは先進工業国だけのものです。この問題は、温暖化問題とよく似ています。温暖化問題に関しては、燃費の悪いクルマやエアコンは地球によくないから所有してはいけないといわれます。抗生物質問題では、間違いをしていたことがわかったので、大きくて肉汁たっぷりのステーキを食べてはいけないというわけです。

でも人々はこう答えるでしょう。「われわれの人口は増え、人々は肉を食べたがっています。これは肉を生産する最も効率的な方法だ。われわれの国民に対して、自分たちがこれまで享受していたものを食べてはならないと命じる資格が、あなた方にあるのですか」。彼らの言う通りです。ですから、やることはまだたくさん残っています。

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