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核に代わる「人工知能の軍事利用」、米中露3国の開発レースの現状

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核に代わる「人工知能の軍事利用」、米中露3国の開発レースの現状

商業と防衛はより密接に

世界の三大軍事力のあいだで繰り広げられている現在のAI開発競争には、かつて核兵器やステルス技術の配備をめぐって行われたそれとは大きく異なる点がある。AI技術の大半は、商業と軍事の両方に応用して使えることだ。

たとえば、旅先で撮った写真の検索を得意とするアルゴリズムは、スパイ衛星画像の捜索に転用できる。自律走行するミニヴァンに必要な制御ソフトウェアは、無人戦車にも使えるだろう。AIの開発・展開における近年の進歩の多くは、グーグルなどの企業による研究から生まれたものだ。

中国が描くAI戦略のめざすところは、AIの商業的発展と防衛的発展を直接結びつけることだ。たとえば中国では、機械学習分野で中国の競争力を高めることに力を注ぐ国営研究所が2017年2月にオープンしたが、その運営は、同国の検索エンジン最大手、百度(バイドゥ)が行っている。また、このプロジェクトでパートナーを務めているのは、軍用ドローン研究の中心地ともいうべき北京航空航天大学だ。同大学に対しては、国家安全保障上の懸念から、米商務省により一部モデルの輸出が差し止められている。

一方、米国政府は、民間のテックセクターに協力を命じる力を中国ほどにはもっていない。国防長官のジェームズ・マティスは、8月に西海岸を訪れた際(同氏はアマゾンとグーグルのオフィスにも立ち寄っている)、国防総省は商用AIの進歩をもっとうまく活用すべきことを認めた。国防総省の計画では、テック系中小企業の米軍との提携を促すためにオバマ政権により立ち上げられた同省のプロジェクト「DIUx(Defense Innovation Unit Experimental:国防イノヴェーション実験ユニット)」への支出の増加が予定されている。

ロシアのテック産業は、米国や中国に比べると規模が小さいため、AI軍拡競争で同国は不利な立場に置かれている。しかしロシアには、科学や技術に強い学術的伝統が脈々と流れている。また、高度な技術がすべてというわけでもない。いまあるもので何をするかということも重要なのだ。

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