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コンパニオンロボットには「人間と絆が深まりすぎる」という問題がある

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コンパニオンロボットには「人間と絆が深まりすぎる」という問題がある

子どもとロボットの関係

それでもいつか、高度に精巧なロボットが、人間との間に複雑なつながりをつくるだろう。そして、コンパニオンロボットの倫理が厄介になるのはそこなのだ。

わたしたちがロボットとの間にもつ関係は、たとえばわたしたちがペットとの間にもつ関係とはまったく異なる。

ペットは、言葉は発しないまでも、あなたの顔をなめたり、死んだ獲物をもってきてくれたりして、あなたへの感謝を示すことができる(ネコの場合は、どこまでもあなたに無関心なのが普通だったりするが)。

だがロボットはどうだろう。Kuriは「わたしもあなたのことが好きだ」とは言わない。Kuriは愛することができないのだから。何かを感じることすらできないのだ。

このような限界があることを、いまはたいていの人が理解している。しかしAIがますます賢くなると、騙されやすくなる。特に子どもやお年寄りは、この関係が相互のものだと錯覚してしまうだろう。

そして、そのような絆は強い。たちの悪い玩具メーカーが、非常に精巧なロボットをつくったとする。あまりに本物そっくりで、子どもにはまるで生きているように見えてしまう。そして、ロボットと子どもの関係を悪用する玩具メーカーが、ロボットに「50ドル出していただければ性格をアップグレードできますよ」と言わせたらどうなるだろう。

介護されることで強くなる「愛着」

高齢者の場合、問題はより一層複雑になる。ごく近いうちに、ロボットは高齢者の着替えを手伝ったり、ベッドから起き上がらせたりするようになるかもしれない。

「自分でできることが限られるため、ロボットに頼り始めると感謝のような気持ちが生まれ、それがある種の愛着に変わります」と説明するのは、タフツ大学ヒューマンロボット・インタラクション研究所のマティアス・シューツ所長だ。「実際、ルンバのように単純なロボットにさえ、人はすでに何らかの愛着を持っているのが見受けられます」

ドラマ『パークス・アンド・レクリエーション』に登場した「DJルンバ」がいい例だ。

高齢者を身体的に助けることには、スキンシップが伴う。それは、極めて影響力のある行為だ。ロボットが人間とスキンシップというのは、いまは金属的で妙なものに聞こえる。だがそれも長いことではない。ロボットは以前より優しく、実にソフト[日本語版記事]になってきているからだ。

「スキンシップは非常に親密なものですから、ロボットとのつながりは、さらに拡大し強くなる可能性があります」とシューツ所長は述べる。「人間がロボットと、こうした奇妙な一方向の関係を築くのを望まない人もいるかもしれません。ロボットは気持ちを返すことができないのですから」

現在、ロボットはまだ社会に浸透していない。だがKuriとElliQは、未来の社会を垣間見させてくれる。そこでは間違いなく、愛すべきロボットとの絆が深まっているだろう。それは悪いことではない。少なくともいまのところは。だが、彼らがロボットだということを意識しておかないと、「失恋」が待っていることだろう。

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