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うじ虫のようにはい回る「超小型医療用ロボット」が、“未来の治療法”かもしれない

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うじ虫のようにはい回る「超小型医療用ロボット」が、“未来の治療法”かもしれない

 医療用ロボットを体内で動かすことを考えると、負荷がきわめて小さい移動方法のひとつが「はって進む」ことだ。そこで、うじ虫をヒントにした医療用ロボットの開発が進められている。その実力はいかに。

IMAGE: GETTY IMAGES

従来の医薬品は、必ずしも最良の治療方法とはいえない。薬はしばしば、予測不能でやっかいな副作用を伴う。医学は常に治療を精緻化する方向に進んできたが、間もなく治療の選択肢のひとつとして「超小型ロボット」が登場する。

このマイクロロボットは薬剤を患部まで届け、がんを切除し、体のなかの損傷を修復するような移動能力を備える。もちろん、こうした治療が実現するのは数十年先だが、「うじ虫」が苦手な人には、ちょっと問題かもしれない。

ロボットを体内で動かすことを考えると、負荷が極めて小さい移動法のひとつが「はって進む」ことだ。コロラド大学ボルダー校で機械工学を研究するフランク・ヴァーナリーは、移動するロボットのお手本として「身をくねらせて動くうじ虫」を選んだ。

ゲル状の小さな円筒物質が収縮して進む

彼がつくりだしたロボットは、一般的なものとは大きく異なる。実のところ、現時点ではロボットですらない。それはゲル状の物質でつくられた小さなシリンダー(円筒)だ。ヴァーナリーは、このシンプルな人工の医療用うじ虫を温水と冷水に交互に浸すことで、チューブのなかをはい進ませることに成功した。

うじ虫の動きは、体の伸長と収縮という、2つの力学的プロセスの組み合わせによるものだ。「ただし、移動を実現するには、体がどちらかの方向に対して、より滑りやすくなければなりません」と、ヴァーナリーは説明する。本物のうじ虫の体の表面には、微小な後ろ向きのとげが生えている。体を収縮させると、腐敗した食べ物の表面にとげの鋭い先端が食い込んで摩擦が生じ、うじ虫の体は前に進む。うじ虫が体を伸ばすときは、棘は食べ物の表面をこするだけだ。

ヴァーナリーは、この動きをヒドロゲルで再現しようと考えた。ヒドロゲルはゴム製のスポンジのようなもので、温度に応じて伸長・収縮する。この研究で使用されたヒドロゲルは、およそ32℃未満で親水性になり、水を吸収する。それ以上の温度では、その逆になる。

ヴァーナリーはこの素材を使い、全長約3cm、直径1.3cmのシリンダーをつくった。長さも太さも、親指の先端から第一関節までと同じくらいだ。青くて半透明で、ゼラチン質の親指を想像してもらえばいいだろう。

ただし、これにはとげは生えていない。ヒドロゲルにとげを装備するのはきわめて難しいため、ヴァーナリーはチューブのほうに摩擦を生じさせる素材を使った。3Dプリンターを使って、内側にうろこ状のテクスチャーを備えたチューブを作成したのだ。

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