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慢性的な睡眠不足によって、脳は「自己破壊」する:研究結果

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慢性的な睡眠不足によって、脳は「自己破壊」する:研究結果

さらに研究チームは、ミクログリアも慢性的睡眠不足により活性化することも確認した。睡眠不足グループではみられなかったシナプス構成要素に対する食作用が、慢性的睡眠不足グループでは増加していたのだ。しかし慢性睡眠不足による炎症の増加とミクログリア活性化の関連はみられず、研究者らは慢性的睡眠不足で誘発された別の要因がミクログリアを活性化させたのではないかと推測している。

過度のミクログリア活性は、アルツハイマー病などの脳神経障害と関連していることが明らかになっており、「こちらの発見のほうが深刻だ」と、論文筆頭者であるベレッシはリリースにてコメントしている。

睡眠不足と神経変性疾患

現在、世界各国では多くの人々が慢性的睡眠不足にある。スマートフォンのアプリ『ENTRAIN』の睡眠サイクル調査では、日本の平均睡眠時間はほかの国々と比べても最下位のレヴェルだった。また、ウェアラブルデヴァイスメーカーのJawboneが行った睡眠時間調査でも、日本人ユーザーの睡眠時間は平均6時間15分と最も短かった。

これまでの数々の研究では、睡眠不足とアルツハイマーなどの神経変性疾患の高い相関関係が確認されており、睡眠不足で蓄積されるタンパク質の種類もいくつか挙げられている。睡眠のクオリティ向上が神経変性疾患の予防につながるかは定かではないが、慢性的睡眠不足は疾患に関連するタンパク質の増加要因にはなっているのだ。

ベレッシ率いる研究チームはこれから、寝不足によるアストロサイトとミクログリアの影響がどれほどの期間続くのかを調査する予定だという。

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