産経ニュース

最新論文から明らかになった、木星探査の「限界」と「期待」

WIRED WIRED

記事詳細

更新


最新論文から明らかになった、木星探査の「限界」と「期待」

惑星科学者たちは、木星の大気がもつダイナミクス全般も誤解していたようだ。ジュノーミッションで主任研究員を務め、もう一方の論文の筆頭著者であるスコット・ボルトンは「科学者たちは、大気中の主なエネルギー源は太陽だと思っていました」と語る。「したがって、太陽光の影響が低いところにある粒子群は単純な構造で、よく混ざり合っていると思われていたのです」。ところが、実際はそうではないことがわかった。木星大気中の粒子群は、その外観と同じように多様かつ縞状の構造なのだ。

ジュノーの研究チームにとってとりわけ興味深いのは、木星を特徴づける「赤道地帯にある巨大な縞模様」を構成するアンモニアの氷の粒が、ジュノーの観測機器が確認できる限りでは、上空だけでなくコアに向かって何百kmも下に伸びていることだ。現在の木星大気モデルでは、そうなるべき理由は何も見当たらない。

驚くべき活動量を示しているほかの場所はどこか? それは木星大気の深部で、これはジュノーがマップ化しようとしている磁場と重力場にあたる。

「もし木星が、回転する巨大なガスの球体にすぎないのであれば、その重力場に奇妙な高調波が発生しているはずはありません」とコナーニーは語る。しかし木星の重力は一様ではなく、それは深い対流を示唆している可能性がある。地球上で大気圧の差が気象の変動を引き起こすのと同じように、木星の奥深くで生じている密度の差が、重力の変動を引き起こしているのかもしれないのだ。木星の磁場に関するジュノーの測定値も、科学者たちの予測を大きく上回る地理的変化に富むものだった。

こうした地理的変化についてジュノーのチームが理解できるようになるまでには、まだまだ道のりは遠い。しかし、こうした変動はすべてが関係し合っており、重力場に現れる大きな対流は、磁場強度の不均一さも引き起こしている可能性があるという思い切った意見をコナーニーは口にしている。「振り返ってみると、木星大気はシンプルで退屈なものだとわれわれがなぜ思い込んでいたのか、わかりません」とボルトンは語る。

続きを読む

このニュースの写真

  • 最新論文から明らかになった、木星探査の「限界」と「期待」