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疑似太陽、人工吹雪…列車を極限状態でテストする「巨大風洞」に潜入

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疑似太陽、人工吹雪…列車を極限状態でテストする「巨大風洞」に潜入

 猛暑、厳寒、強風に猛吹雪。過酷な環境下であらゆる種類の鉄道車両をテストできる、世界有数の気象風洞装置がオーストリアにある。2018年にロンドンで開通予定のエリザベス線の新車両が、ここで9日間の過酷な試験に臨んだ。

ウィーンの試験施設で、疑似太陽の熱線にさらされるエリザベス線の新車両。

夏の暑すぎる日には、電車のクーラーが機能しなくなるかもしれない。冬の寒すぎる日には、雪でドアが凍り、乗客が車内に閉じ込められたり、車外に締め出されたりするかもしれない。湿気によってトイレの洗浄機能がダメになる可能性もあるだろう。あるいはみぞれが入り込み、電車の警笛が鳴らなくなるかもしれない。窓ガラスが太陽光を増幅し、車内が温室のように暑くなってしまうこともあり得る。

ロンドンの善良な市民たちは、きっとこういった状況を歓迎しない。それゆえ同市の交通局は、2018年に開通するエリザベス線を走る新車両のために、特別なテストを行うことにした。

エリザベス線で使われる予定の列車は、ボンバルディア・トランスポーテーションが英国のダービーで組立て、テストしてきたものだ。しかしダービーには適切な試験用の施設がない。そこで同社は、数台の列車をトラックとフェリーに載せ、遠く離れたウィーンへと送った。そこには、ほかに類を見ない気象風洞装置があるのだ。

天候条件を劇的に変化させ、あらゆる種類の車両をテストできる気象風洞装置は、世界各地に存在する。しかし、オーストリアのウィーンにある「Rail Tec Arsenal」はそのなかでも特別だ。56年前に開設され、2003年に改良が施され、現在は欧州の大手鉄道製造業者が共同で運営しているこの公共研究施設は、世界最長の列車試験用風洞装置と謳われている。

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