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機内食の進化史に見る「食と道具のイノヴェイション」

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機内食の進化史に見る「食と道具のイノヴェイション」

 気球時代のパイロットの知恵から、キッチンやカートの進歩、最新の真空調理法にまだ実現していない未来のサーヴィスまで。おいしい機内食を食べるために、人々が進化させてきたテクノロジーの数々を紹介。

機内食を想像してほしい。出るのは憧れのため息だろうか、それとも嫌悪感のうめき声(日本語版記事)だろうか。しかし席のクラスにかかわらず、機内食を用意することがどれだけ大変なことかをわかってほしい。ギャレー(機内の調理室)での準備や地上での事前調理が手間であるというだけではない。機内食には数十年にわたるイノヴェイションの歴史があるのだ。

高度30,000フィート(約9,000m)に浮かぶ鉄のチューブの中で、ステーキを調理することを想像してみてほしい。厳しい安全規則、極限まで減らさなければならない重量と体積、そして簡単なはずの作業をも困難にさせる機上での食材管理。

提供しやすく、安価かつ安全、そしておいしい機内食がどのようにつくられてきたのか。道具と調理法の歴史を見てみよう。

1836年:火を使わない加熱法

商業用航空機が登場する前、ヨーロッパの人口の1パーセントの人々は、巨大な熱気球で空を舞っていた。狭い気球の中では、ストーヴは無論、マッチに火を点けることすら禁じられていたが、それでも乗組員は贅沢な料理を調理していた。

リチャード・フォスは『Food in the Air and Space』のなかで、当時のエンジニアは、生石灰と水を合わせて化学反応を起こし、その副産物として生成される熱を利用して優れたオーヴンをつくったと書いている。爆発する可能性が高い工程を正しく処理すれば、コックは一切火を使わずにステーキを焼くことができたのだ。

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