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【紀伊半島豪雨7年・奈良】全壊、流された発電所 「水」との闘い乗り越え再開

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【紀伊半島豪雨7年・奈良】
全壊、流された発電所 「水」との闘い乗り越え再開

紀伊半島豪雨で全壊した被災直後の長殿発電所=平成23年9月(関西電力提供) 紀伊半島豪雨で全壊した被災直後の長殿発電所=平成23年9月(関西電力提供)

 平成23(2011)年9月、紀伊半島豪雨で全壊した奈良県十津川村の関西電力・長殿(ながとの)発電所の前には、残骸の山を見上げる電力マンたちの姿があった。「1日でも1時間でも、1分でも早くライフラインを復活させなければ-」。熱い思いが実を結び、今年6月、生まれ変わった長殿発電所が6年9カ月ぶりに運転を再開した。(藤木祥平)

 長殿発電所は昭和12(1937)年に、宇治川電気(現・関西電力)が開設した水力発電所だ。同県天川村から引いた水を、山の中腹約190メートルの高さから落下させ、水車を回して発電している。

 「水には計り知れない恐ろしさがある」。関電吉野水力センターの奥長和昭所長代理(54)は、被災直後の発電所の写真を見返し、そうつぶやいた。7年前の9月4日、長殿発電所の横を流れる熊野川は豪雨で増水していた。そこに山の土砂が崩落。川と土砂は凶暴な山津波となり、発電所をのみ込んだ。建屋が全壊し、鉄塔も「く」の字に折れ曲がるほどの威力だったという。

 長殿発電所は一般家庭約2万2千世帯分の消費電力を賄う大切な電力源だ。失われたものは大きく、関電では全壊した発電所を建て直すという、前例のない復旧プロジェクト(PJ)が始まった。

徹底した浸水対策

 「ぜひともプロジェクトに参加したいと手を挙げました」と話すのは、同PJの電気工事に携わった同社の新谷昌弘さん(44)だ。豪雨の5カ月前に長殿発電所2号機の分解点検修理を担当したばかりで、思い入れはひとしおだった。PJの土木工事を担当した同社の内海貴人さん(47)は、「どう復旧したらいいものか、試行錯誤の連続でした」と振り返る。

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