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【名伯楽の挑戦(4)】野口さんが走れなくなっていく姿 「やります」に涙、涙… 広瀬永和さん

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【名伯楽の挑戦(4)】
野口さんが走れなくなっていく姿 「やります」に涙、涙… 広瀬永和さん

 マラソンランナー、野口みずきさんを20年近く指導した広瀬永和(ひさかず)さん(53)=岩谷産業陸上競技部監督=のインタビューは4回目。野口さんは2005年(平成17年)のベルリンマラソンで2時間19分台をマークした後、けがに悩まされ、思うように走れなくなった。そして、平成28年の名古屋ウィメンズマラソンを機に引退。広瀬さんはその間、ずっと野口さんのそばで見守ってきた。(聞き手 坂井朝彦)

引退レースとなった2016年の名古屋ウィメンズマラソンで、ゴール後に抱き合う広瀬永和監督(手前)と野口みずきさん 引退レースとなった2016年の名古屋ウィメンズマラソンで、ゴール後に抱き合う広瀬永和監督(手前)と野口みずきさん

お風呂場で転び、腰を強打

 --野口みずきさんは平成17年のベルリンマラソンで日本記録(2時間19分12秒)をマーク。その後はけがとの戦いでした

広瀬 あとから思うのは、(18年に)お風呂場で転んだんですよ。転んで腰を強打して何日か走れなくて、そこからバランスが悪くなった。それが後々の走りに影響したのかなって。ちょっとした不注意ですけどね。(選手生活の晩年は)本人はまだ上を目指したいとか、脚が壊れるまで走ってみたいっていう、そういう思いがあるから、競技を続けられたんだと思います。本当にもう、走れるだけ走ったというか、思いを残すことなく引退した。段々と走れなくなっていく野口を見ていて、つらかったです。「何でそこまでやるの?」って。

 --平成28年のラストレース、名古屋ウィメンズは記憶に残るレースでした

広瀬 全く練習ができなかったんですよ。これでスタートラインに立たせていいのかなっていうのがあって。でも、本人は『やります』っていうわけです。となると「あ、これが最後になるのかな」と思うんです。僕は、レース前に必ずレースプランとかを伝えるんですけど。アップの後、なんか知らないんですけど、涙がぼろぼろぼろぼろ出てきて、何もいえなかったんですよ。で、野口が「何で泣いてるんですか?」って。もう、言葉になんないんですよ。「じゃあ、着替えて準備してって」。スタート前にいってたのは「笑顔で走ろう」って。

2016年3月、名古屋ウィメンズマラソンでゴール後に会見する野口みずき選手(左)と広瀬永和監督(右)=ナゴヤドーム(撮影・榎本雅弘) 2016年3月、名古屋ウィメンズマラソンでゴール後に会見する野口みずき選手(左)と広瀬永和監督(右)=ナゴヤドーム(撮影・榎本雅弘)

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