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【紀伊半島豪雨7年】災害では「まさか」が現実に 和歌山県警機動隊副隊長・楠本真さん 

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【紀伊半島豪雨7年】
災害では「まさか」が現実に 和歌山県警機動隊副隊長・楠本真さん 

「尊い犠牲の上に立っている教訓を忘れてはならない」と話す楠本副隊長=和歌山市 「尊い犠牲の上に立っている教訓を忘れてはならない」と話す楠本副隊長=和歌山市

 平成23年9月の紀伊半島豪雨の発生から7年を迎えた。列島を襲う自然災害はその後も後を絶たず、8月の台風20号では熊野川が氾濫し、家屋の浸水被害などが相次いだ。災害対策が喫緊の課題となる中、紀伊半島豪雨や東日本大震災、西日本豪雨などの数多くの災害現場で救援活動に携わった和歌山県警機動隊の楠本真副隊長(44)に話を聞いた。(聞き手、小笠原僚也)

 --紀伊半島豪雨から7年。県民の豪雨への意識は変わったか

 仕方ないことだが、風化しつつあると感じている。(紀伊半島豪雨で被害を受けた)紀南地域でも、被災地とそうではない地域では防災意識に大きな隔たりがある。

 --楠本さんは紀伊半島豪雨当時、那智勝浦町に救援に行った。被災地の状況はどうだったか

 辺り一帯を流れ着いた木と大量の土砂が埋め尽くし、湿った木や腐った水の悪臭が漂っていた。濁流で何もかもが押し流された光景は、津波で甚大な被害を受けた東日本大震災の被災地と非常に似ていた。本来の住所が示す場所には家の基礎しか残っておらず、死者・行方不明者の発見は困難を極めた。

 --これまで数多くの災害現場で救助活動を行った。気付きや課題は

 水害と地震とでは、性質や被害が全く異なる。地震では倒壊家屋に閉じ込められる人が多く、迅速な救出が何よりも求められる。その一方、津波や豪雨、土砂崩れでは、流されてしまった人の多くは即死する。もちろん救助活動は重要だが、いくら早く現場に行っても発生後に救える命は限られているのが現状だ。事前の備え、そして何より発生前に逃げることが重要だ。

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