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【正木利和のスポカル】不思議の国から飛び出すアリス chiaki kohara

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【正木利和のスポカル】
不思議の国から飛び出すアリス chiaki kohara

自作を手にポーズをとるchiaki kohara=大阪市浪速区 自作を手にポーズをとるchiaki kohara=大阪市浪速区

 今回の展示の趣旨を語る作家はまるで、おとなになった「不思議の国のアリス」を思わせる雰囲気をもっていた。

 本名は小原千明。昭和61(1986)年の七夕に大阪で生まれた。なるほど、千明という名は天の川の星々のイメージだ。

 小学生のころから絵を描いたり粘土細工をすることが好きで、柴島高校では美術を専攻。専門学校を経てイラストレーターとして企業に就職した。

 広告イラストなどを手がけ、平成19(2007)年にユニクロ・クリエイティブアワード草間彌生賞を受賞、同22年にはイラストレーションチョイス宇野亜喜良審査入選を果たしている。

 翌23年にはDMO ARTSのオープニングで初個展を開き、いきなり完売と勢いに乗り、24年にはソニーのアートプロジェクトでグランプリを獲得して銀座のソニービルのアートウォール(縦37・6メートル、横6メートル)に年3回、作品を展開。

 その後も国内や海外でライブペイントをしたり、企業とコラボ商品を製作したりと、キャンバスのなかだけにとどまらない売れっ子になった。

   □    □

 「グリモワール」にもどる。

 「写真家の友達に言われたことがあるんです。絵描きは魔法使いだなって。筆とほうきって似てる。それを使っていろんな世界を描き出すからって。そうだ、女子力より魔力が高そうだとも言われました」

 「魔術をポップにカラフルに。わたしを通すと勝手になるんです。まがまがしいがかわいい、に」

 けれども、彼女の絵は、ただかわいいだけにとどまってはいない。

 燭台にすわる二人の女の子を描いた絵。その中央のろうそくの炎は消えつつある。

 《私がとけてなくなる前に…》

 こんな文学的な作品タイトルが切ない。

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