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【軍事ワールド】「トランプ宇宙軍」の目指す方向定まらず、視界不良…

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【軍事ワールド】
「トランプ宇宙軍」の目指す方向定まらず、視界不良…

ミッション(任務)の内容がほとんど公開されず「謎の宇宙機」と呼ばれるX-37(米空軍提供) ミッション(任務)の内容がほとんど公開されず「謎の宇宙機」と呼ばれるX-37(米空軍提供)

 1980年代にレーガン政権下で進められた戦略防衛構想(SDI)は、核兵器搭載の弾道ミサイルを迎撃可能とする最新兵器を開発し、核兵器を無効化することを目的に進められた。野心的な計画は当時流行の映画から「スターウォーズ構想」と呼ばれた。

 現在ではイージス艦やTHAAD(高高度防衛ミサイル)、PAC3などで弾道ミサイル迎撃システムは実現されているが、レーガン政権当時は異なったアプローチで進められた。

 宇宙の偵察衛星でミサイルを捉え、人工衛星に搭載したレーザー兵器やレールガンで攻撃する、つまり宇宙空間で迎撃を完結させようと計画したのだ。

 結果的には目標に技術が追いつかず、計画予算の増大や冷戦終結もあって計画は尻切れトンボに終わったが、宇宙とは別の成果があった。軍事大国ソ連は、この「宇宙戦争」に対抗しようと軍事費を増額させた。これが国家予算の破綻とソ連崩壊につながったと評価されているのだ。

 もちろん米国も軍事費増大によって貿易赤字と財政赤字という「双子の赤字」を背負ったが、ソ連という軍事的な脅威は文字通り消滅した。レーガン元大統領を尊敬しているともされるトランプ氏なら、この“狙い”を踏襲する可能性は十分にある。ただし、リスクはレーガン時代よりも重い。

 予算はどこから

 8月13日に米国の2019年度国防予算が成立し、中身はこれまでのトランプ氏の「軍を再建する」との言葉通り、大幅な増額予算となったが、予算のほとんどは人件費と旧式装備の維持整備費、そして研究開発に充てられる。ステルス戦闘機など新装備(最新兵器)の導入計画を前倒しで加速できるような「ゴージャスな増額」ではない。

 この米防衛予算は18、19年度と2年連続で予算強制削減の適用を免れてきたが、議会が3年連続で適用を止める保証はない。そして宇宙軍創設の予算は2020年度分から計上される見通しだ。

 現状でも少ないパイの取り合いをしているところへ、さらに新たなライバルが加わる。特に空軍ではかねてから「宇宙と空を区別する必要はない」との意見が根強く、宇宙軍は厄介者扱いされかねない。議会と軍が理解を示さなければ、宇宙軍は絵に描いた餅で終わる可能性もある。

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