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【関西の議論】犯罪被害者支援ネット、組織的な成熟が必要

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【関西の議論】
犯罪被害者支援ネット、組織的な成熟が必要

 きっかけは、旧知の家庭裁判所調査官から講演依頼を受けたことだった。時間的な余裕が生まれたこともあり、「家族としても10年という区切り。きちんと伝えていかないといけないと思った」と振り返る。

 事件直後は犯罪被害者支援の枠組みがなく、家族だけで苦しみ、悲しい記憶を心の中に封印していた。「誰もが自分を見ているようで、一歩でも外に出るのに勇気がいった」。だからこそ、被害者支援の重要性を身をもって感じてきた。

 被害者支援を続けることで「常に息子と生きている」と強く感じるという平井さん。「被害者や遺族は、事件の後も生きて、前に進んでいかなければならない。立ち上がるためには支援が必要だ」と訴える。

具体的な支援

 国内で犯罪被害者のサポート体制が具体化されたのは、平成4年、東京医科歯科大学に全国初の民間の被害者支援組織となる「犯罪被害者相談室」が開設されたことにさかのぼる。

 その後、茨城や大阪、京都などで被害者支援に携わる民間団体が相次いで誕生。個々に活動していた各団体が集まり10年、横断的に継続する支援を目指した全国被害者支援ネットワークが生まれた。

 現在ネットワークには、47都道府県の48センターが加盟する。大半のセンターが、事件発生直後から中長期的なサポートができるよう、被害者の同意を得て警察から被害者の情報を提供される「早期援助団体」に指定されている。

 センターには、1年間程度にわたり支援のあり方を学んだボランティアや臨床心理士などの「犯罪被害者直接支援員」のほか、さらに専門性を高めた「犯罪被害相談員」がいる。「事件のことをよく思い出せない」、「自分が自分ではないような気がする」という犯罪被害に悩む人たちの声に耳を傾け、相談に乗る。

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