産経WEST

【浪速風】北国の小さな町にも戦争があった 伯父は戦死、靖国で見た母の涙(8月15日)

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【浪速風】
北国の小さな町にも戦争があった 伯父は戦死、靖国で見た母の涙(8月15日)

終戦の日を迎え、大勢の人が参拝に訪れた靖国神社=15日午後、東京・九段北 終戦の日を迎え、大勢の人が参拝に訪れた靖国神社=15日午後、東京・九段北

 恐縮だが私事を書かせていただきたい。郷里は北海道・十勝の小さな町で、終戦のちょうど1カ月前に米軍機の空襲を受けた。帯広市が攻撃目標だったが、悪天候で断念し、雲の切れ目に見えた町に爆弾を落としたらしい。死者40人、全焼家屋299戸という惨事だった。

 ▼父は出征して中国の戦地におり、母は夫が不在の家に嫁いできた。また空襲があるかもしれないと、祖父が家の敷地にあわてて防空壕を掘った。母も手伝わされ、穴掘りに明け暮れるうちに戦争が終わったという。幸い父は無事に帰還でき、後ればせの結婚式を挙げた。母のすぐ上の兄は戦死している。

 ▼小欄が東京勤務のころ、上京した母が、靖国神社に連れて行ってほしいと言った。それが目的で来たんだからと。セピア色の兄の写真を持っていた。「●(=歌記号)やさしかった兄さんが 田舎の話を聞きたいと…」。島倉千代子さんの「東京だョおっ母さん」そのままだった。父も母もとうに亡くなった。

「産経WEST」のランキング