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【夕焼けエッセー】わが家の「お月さん」

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【夕焼けエッセー】
わが家の「お月さん」

 朝4時ごろから起き出す両親。1階からはバタバタと生活の音がなり始める。7時に起床し降りていくと掃除、洗濯、朝食、散歩を終えた母がスーパーのチラシを見、特売品を吟味している。父は朝のニュースにいつもながらに文句をつけている。

 出産を機にわたしたち家族は実家に身を寄せることにした。マイホームを建設中、育児休暇中の1年間の期限付きである。

 実家では11時半昼食、16時お風呂、17時半夕食というスケジュール。気心の知れた両親とはいえ、学校や仕事があったため、四六時中共に過ごすのは幼少期以来のことである。70歳手前、堅実な両親の生活。それは共働き、夜型だったわたしには思っていた以上に窮屈なものだった…。

 昨年10月末に誕生したあかちゃんには「つき」と名付け、想いを込めたその 名のとおり、人の心を優しく照らす明るい娘に育ってくれている。おかげで家の中が明るくなった。父も母も、これまでみたことのないような笑顔を毎日浮かべてくれている。

 そうして8カ月。いまとなっては実家のそのスケジュールがしっくりきてしまっているではないか。

 優しくいつでも娘を抱き、あやしてくれるじいじ。面白くわが家のムードメーカーであり、チャキチャキと仕事をこなすばあば。2人の子供でよかった。最近つくづくそう思う。2人に可愛い孫を見せてあげられて良かった。

 わが家のお月さんは今日も満面の笑みで家族を照らす。このかけがえのない時間を大切に。忘れないでいよう。

森内千晴(37) 奈良県生駒市

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