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【浪速風】「何処の新聞か分からない」風潮に惑わされず 8月、戦没者の追悼を(7月28日)

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【浪速風】
「何処の新聞か分からない」風潮に惑わされず 8月、戦没者の追悼を(7月28日)

先の大戦で2万人を超える日本兵が戦死した激戦地の硫黄島で、東京都主催の戦没者追悼式が開かれた。「鎮魂の丘」慰霊碑に献花をする遺族ら =東京都小笠原村の硫黄島(代表撮影) 先の大戦で2万人を超える日本兵が戦死した激戦地の硫黄島で、東京都主催の戦没者追悼式が開かれた。「鎮魂の丘」慰霊碑に献花をする遺族ら =東京都小笠原村の硫黄島(代表撮影)

 「風々院風々風々居士」。忍法ものなどの小説で知られる作家、山田風太郎が生前に自らつけた戒名である。大衆娯楽作家の顔の背後には、どこか斜に構えた、飄々(ひょうひょう)とした姿がある。風来坊のような。戒名もまさにそう。この28日が命日だ。

 

 ▼以前、戦中戦後の日記を読んで、この姿勢がどこから来ているのか納得した。戦後一変した日本を悲しみ、憤っている。戦争に協力していた作家がマッカーサーにおもねるのを見て、「何たる無責任、浅薄の論ぞや」(「戦中派不戦日記」)。手のひらを返したように戦争犯罪人をたたく新聞を、「何処(どこ)の国の新聞か分らない。…あんまりひどい」と嘆く(「戦中派焼け跡日記」)。

 ▼変節ががまんならなかったのだろう。風来坊のような人生観で戦後日本に距離を置いた。やがて8月が来る。戦争を考えることが多い月である。「何処の国の新聞か分らない」ような、いまだ残る風潮に惑わされず、静かに戦没者を追悼したい。

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