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【関西の力】飛鳥時代創業・金剛組(4)技は見て盗む-1400年の系譜、途絶えさせぬために

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【関西の力】
飛鳥時代創業・金剛組(4)技は見て盗む-1400年の系譜、途絶えさせぬために

 「初めて大工道具を使った仕事ができる」。宮大工、大野広樹さん(19)の心は躍った。平成27年5月、札幌市手稲区。寺院の新築工事現場で、棟梁(とうりょう)の土居栄二さん(52)から、軒下に化粧板を張り付けるよう命じられたのだ。

先輩の作業を真剣な表情で見る大野広樹さん(左)=堺市の金剛組加工センター(寺口純平) 先輩の作業を真剣な表情で見る大野広樹さん(左)=堺市の金剛組加工センター(寺口純平)

仕事は教えてもらうものではない

 軒下を支える部材に鑿(のみ)で溝を掘り化粧板を差し込む作業を前に、大野さんは不安も覚えた。それまでの仕事といえば、もっぱら金剛組の加工センター(堺市)から搬送される材木を現場で運ぶことだったからだ。

 化粧板は縁側から見える重要な装飾だ。失敗は許されない。大野さんの鑿を持つ手は震えたが、「一緒に作業をする先輩の手つきを見ながら乗り切った」。

 大野さんが入り口に立った宮大工の世界では「仕事は、教えてもらうのではなく、見て盗むもの」だと土居さんは言う。

「自分の携わる仕事は芸術作品」誇れる宮大工に

 金剛組が抱える8つの「組」に所属する宮大工約120人の年齢層は19歳から80歳と幅広い。だが、若手は比較的少なく、大野さんの属する「土居組」で10代は1人だけ。金剛組にとって、次代を担う若手の確保と育成は最も重要な課題の一つといえる。

 若手の育成では「理不尽に怒鳴るのではなく、理論立てて伝えることが大事だ」と加藤恭成(やすなり)棟梁(45)は言う。

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