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【関西の議論】琵琶湖から天然ガス、戦中戦後に湧出の記録…近畿の水がめは天然資源の宝庫だった

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【関西の議論】
琵琶湖から天然ガス、戦中戦後に湧出の記録…近畿の水がめは天然資源の宝庫だった

「琵琶湖天然瓦斯縁起」には、大人の身長を超えるボンベにガスを詰めている様子が描かれている 「琵琶湖天然瓦斯縁起」には、大人の身長を超えるボンベにガスを詰めている様子が描かれている

水から火が出た事件の記録も

 そもそもなぜ、湖岸の農村地帯から天然ガスが取れたのか。その秘密は、昭和56年に滋賀県が編纂(へんさん)した「県天然ガス調査研究報告書」から読み取れる。

 同書は京都大学の地質学の教授らが作成。琵琶湖のメタンガスの有用性について検証したという。

 古代の琵琶湖は、現在よりも南東方向にあったとされる。同書によると、現在の湖周辺地域は過去は湖の中にあり、その地層では、長い年月をかけて動物の死骸などの堆積物が発酵し、ガスを生み出しているのだという。

 同書では「水から火が出た事件」という逸話も紹介している。「明治16年夏、当時の栗太郡常盤村(現草津市)」で、井戸を掘ろうと住民が穴を掘ったが、「風」しか出てこない。それでも5日間掘り進めると水が出てきたので、「めでたい」とカンテラを近づけて中を見ようした瞬間、噴き出ている水に火がつき、火柱となった-。「風」の正体は天然ガスだったのだ。

 こうして知られた琵琶湖のガスは、戦時中に全国的な燃料不足に陥ったことで注目を集める。琵琶湖の天然ガス田は、湖岸周辺に広範な範囲にわたって分布。同県高島市などでは家庭燃料として民家で利用していた例もあるという。琵琶湖天然瓦斯会社はこうした経緯の中で誕生したのだった。

 同社が廃業した後の昭和32年にも、琵琶湖の資源に目をつけた石油会社が、草津市の山田周辺で試掘を行ったとの記録がある。琵琶湖の地下資源を掘り起こす斬新な試みだったが、「地下400メートルで固い地盤に当たり、それ以上の試掘ができず、採算ベースに合わない」として、事業化は見送られている。

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