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【野球がぜんぶ教えてくれた 田尾安志】タイミングを見極める

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【野球がぜんぶ教えてくれた 田尾安志】
タイミングを見極める

プロ初勝利を挙げ、お立ち台でウイニングボールを手に笑顔の阪神・才木=甲子園 プロ初勝利を挙げ、お立ち台でウイニングボールを手に笑顔の阪神・才木=甲子園

 監督の仕事の一つに投手交代がある。投手の中でも、エースと呼ばれる選手は、特にプライドが高いもの。本人の意にそぐわない交代をどう納得させるか。気分を悪くさせると、今後のシーズンに響きかねない。部下のモチベーションを高く保つのは、プロ野球でも大事なこと。事前に明確な基準を定め、よく説明しておくことが大切だ。

 楽天の監督時代、僕は先発投手に「3点取られても代えない。落ち着いて投げろ」と伝えていた。もちろん、負傷交代などの例外はある。一方で「4点取られたら、どんなタイミングで交代を告げても、文句を言うな」とも話しておいた。

 打ち込まれた投手本人に続投の可否を尋ねるのは愚の骨頂だ。「もうダメです」という投手はほとんどいないから、ベンチでしっかり見極める必要がある。

 「代えどき」は、ボール球が増えたとき。打球が詰まり気味だったのに、バットの芯で捉えられるようになったとき-など。それ以外にも、状況によって繊細な判断が必要になる。例えば、五回以降で2点リードの場面。走者を2人出したときがポイントだ。

 なぜか。3人目が出ると、逆転の走者になる。すると、降板した投手に黒星がつく可能性がある。救援でマウンドに立った投手は「先発投手の勝ちの権利を消したくない」と力んでしまいがちだ。同点の走者が出たところで代えておけば、互いの心の負担は少ない。そこまで考えてあげるべきなのだ。

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