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【関西の議論】「点」「線」「文字」…新たな枠組みで現代美術を紹介する試みに注目

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【関西の議論】
「点」「線」「文字」…新たな枠組みで現代美術を紹介する試みに注目

ヘンリー・ムアのブロンズ彫刻「ナイフ・エッジ」(左)などの展示風景。テーマ別の展示を試みた展覧会で登場している=大阪市北区中之島 ヘンリー・ムアのブロンズ彫刻「ナイフ・エッジ」(左)などの展示風景。テーマ別の展示を試みた展覧会で登場している=大阪市北区中之島

 そうした枠組みを「地域別」と見なすなら、米国で1950年代に主流となった「抽象表現主義」や60年代の「ポップアート」といった美術動向の推移は「時代別」としてとらえることができる。

 ところが、1970年代以降、現代美術は前衛的動向を生み出せない状況が続いており、さらに近年の「グローバリズム化」がもたらした情報と人の驚異的なスピードでのダイナミックな動きが、現代美術の価値観の多様化をいっそう促進させることになった。

 それが、現代美術に新しい提示のしかたが求められるようになった背景で、いわば「テーマ別」という方法は時代の要請として登場してきたのである。

 今回の所蔵作品展を担当した同館の中西博之主任研究員はいう。

 「テーマというより、キーワード。たとえば、『点・線・面』や『色彩』、『素材と形態』というように、言葉によって展示を組んでいます」

 視覚における認知科学を背景に、「人は物を見たときに何を考えるか」という対象の客観的な類似性に基づいてテーマが立てられた今回の展示は、難解といわれて久しい現代美術を、鑑賞者が理解するうえで役立つように、という視点の上に成立している。

 展示室のすべてを使う大規模コレクション展は、地下3階部を「作品の要素」、同2階部を「描写の対象」というくくりで分け、そのなかには約50点の新しい収蔵品も配している。

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