産経WEST

一瞬の隙なく監視するなら監禁しかない-認知症鉄道事故裁判で被告となった長男「最高裁判決を在宅介護の礎に」

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新


一瞬の隙なく監視するなら監禁しかない-認知症鉄道事故裁判で被告となった長男「最高裁判決を在宅介護の礎に」

高井隆一さんの父親が事故に遭った共和駅。当時は施錠がなく、ここから線路に降りて電車にはねられた=愛知県大府市 高井隆一さんの父親が事故に遭った共和駅。当時は施錠がなく、ここから線路に降りて電車にはねられた=愛知県大府市

 事故はそんな中で発生。JR東海に提訴され、1審は高井さんと母親に全額賠償を命じた。「一瞬の隙もなく監視するなら施錠、監禁しかない。日々介護に奮闘している人がたくさんいるのに、こんな判決が確定したらとんでもない」。すぐに控訴を決めた。

 2審判決でも母親に賠償命令が出されたが、最高裁判決は、高井さんにも、母親にも監督義務はなかったと認定した。「認知症の人は増えていく。みなさんが地域で安心して過ごせるための礎となる判決を勝ち取ることができた」

 何よりも訴えたいのは、「認知症は誰がなってもおかしくない、恥ずかしくない病気」ということだ。裁判の証拠集めで新聞記事を調べ、介護を苦にした無理心中を多数知った。

 認知症の人は7年後には700万人、実に高齢者の5人に1人が発症するとされている。高井さんは「認知症の介護は本当に大変。内にこもらず、近所の人に協力してもらったり、家族の集いで愚痴を聞いてもらったりしてほしい。これからは、介護の応援団の一員としてやっていきたい」と力を込めた。

公的救済の拡大を

 事故は平成19年12月に発生。アルツハイマー型認知症で要介護4の認定を受けていた男性が線路に立っていたところ、電車にはねられ死亡した。22年、JR東海が振り替え輸送費用など約720万円の支払いを求めて提訴し、1審判決は妻と高井隆一さんに全額を、2審判決は妻にのみ半額の賠償をそれぞれ命じたが、28年、最高裁は賠償義務をすべて否定し、JR東海の訴えを棄却した。

続きを読む

このニュースの写真

  • 一瞬の隙なく監視するなら監禁しかない-認知症鉄道事故裁判で被告となった長男「最高裁判決を在宅介護の礎に」

「産経WEST」のランキング