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【夕焼けエッセー】「は~い!」

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【夕焼けエッセー】
「は~い!」

 我家(わがや)は、3人暮らし。主人、娘、私です。娘もしっかり働いている。主人は、定年後、家にいます。どちらかといえば亭主関白。私は、パートで働いていて、最寄り駅まで主人が送迎してくれる。今朝も車の中で「貴方、傘、干しています。取り入れてくださいね」と話すと「風あるのに…」と。たいした風もないのに…と思い、「また、ごちゃごちゃ言う。『は~い!』と言ってくれたらいいじゃないの」と言っていました。主人は、駅に着くまで黙っていました。私が仕事から帰宅して「今日、カン・ビン出してくれた」と聞くと「は~い!」と右手を挙げます。エエッと私は、びっくり。「君が『は~い!』と言ってくれ。と言ったじゃないか。『は~い!』と言うと、ムカッとした気分がおさまるのだ」と主人。私も、主人や娘に言われて腹立たしくなった時「は~い!」と右手を挙げてみました。確かにムカッとした気持ちが落ち着きます。娘に「寝る前に、自分のコップ洗ってね」と話すと、表情がかわりました。

 主人、すかさず「は~い!」と右手を挙げます。娘も笑顔になり「は~い!」と手を挙げます。あれから、一日何度となく「は~い!」が皆の口から連発します。そのたびに皆が笑顔に。腹立たしさが静まり、部屋の空気が尖らず丸みをおびます。我家では、この「は~い!」が気に入り、皆で楽しんでいる今日(こんにち)。主人のおかげだと感謝する日々です。

常本 尚子 62 堺市南区

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